トレーディングよもやま話 |
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本日は個別銘柄紹介を休みとし、トレーディングについてのコラムを書かせて頂きましょう。 さて、証券会社には沢山の仕事がございますが、大きく分けるとプライマリー(発行市場)とセカンダリー(流通市場)に大別されます。そのセカンダリーで皆様のような個人投資家や、機関投資家の相手をするのが営業マンであり、他に営業マンに調査資料など、情報を提供するのがアナリストです。 また、証券会社の自己資金で超短期の株式売買を繰り返し、収益を稼ぐのがディーラーで、他にトレーダーという職業があります。 このトレーダーとディーラーを混同される方が多いのですが、トレーダーは基本的に顧客の注文を受け、端末に入力したり、機関投資家からのディスクレッションオーダーを受け、発注するのが仕事です(一部自己ポジションを持つトレーダーもいますが)。 反対に、バイサイド(機関投資家)にもトレーダーがおり、このバイサイドトレーダーが、ファンドマネージャーからのオーダーを、証券会社のトレーダーに発注しているのです。 例えば、大原部長が昭和電工を2000万株買いに行くとします。至急買いたければその旨を、ゆっくりでもOKなら株価があまり動かないように何日にも分けて、トレーダーが1日の値動きと出来高を見ながら徐々に買い進んでいきます。 このトレーダーの売り買いですが、新規に組み込む時や・外す(売る)場合、1日の出来高の3割ペースで売買するケースが多いようです。 具体的なケースを想定しましょう。 寄り付き前の売り買い注文が(板といいます)以下の通りとすると、(単位:千株)
この場合は成り行き売り買いが同数で食い合っており、買い物は640円までで1万株に対し、売りは640円までで15千株ですから、寄り付きは640円で寄り、その段階での出来高は2万株となります。 この寄った時点を想定して出来高の3分の1になるように、成り行きと指し値のオーダーを入れるのです。そして最終的に1日の値動きと出来高から算出される加重平均に勝つように、うまくザラバで指し値をしていくのです。 さてこのトレーディングですが、機関投資家により違いがあります。 いずれにせよ証券会社のトレーダーは、非常にわがままなバイサイドトレーダーのオーダーを受ける事になりますが、このバイサイドトレーダーには非常に曲者がいるのです。トイレに行って怒鳴られるケースや、他の客と電話中が多いと言われたり、ナンバーワンの扱いにしないと直ぐに気分が悪化するトレーダーなどなど。 さてまた例を挙げてみましょう。 トレーダーは、一つの銘柄について毎日同じ証券会社を利用しない傾向があります。それは手口を見て「またA社が買っている」と思われるのを避けるためです。 ヒューネットの場合は、特定の証券会社の入れ替わりで売り手口が継続し、しかも前場、後場とも出来高の3分の1をしっかりキープしており、間違いなくトレーディングに厳格な機関投資家の手口と確信しております。しかもヒューネットは店頭株で、店頭株の手数料をかなりディスカウントしている特定の外資系証券の手口ですから尚更です。 このように、気になる銘柄があれば毎日の売買手口を調べていると、何となく傾向が感じられる事でしょう。 最後になりますが、大原・両津組は証券会社の営業上がりで、内向的な性格もあり、機関投資家に大変いじめられた経緯があります。2人で酒を飲みながら『畜生!○○○投資顧問の○○め!』『○○のAファンドマネージャーのバカヤロウ!』などど愚痴をこぼしていたことも…。 現在、大原さんは機関投資家となりましたが、営業担当者にそのような思いはさせておりませんでしょう。 けれど証券時代に、一人のバイサイドアナリストを泣かせています。
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