No.
日付
タイトル
執筆者
15
2001/06/29
円の行方
生涯遊人
14
2001/06/25
気になるこの株、この技術 久光製薬(4530)
炎のファンドマネージャー
13
2001/06/22
自動車株の展望
両津勘吉
12
2001/06/21
次世代液晶用TABテープ、COFの動向
億近テクノロジーリサーチチーム
11
2001/06/20
下げた時ほど燃えよう!!
炎のファンドマネジャー
10
2001/06/19
大原部長 芸能界デビュー?
億の近道発行プロジェクト
9
2001/06/19
新四季報をチェックしてみよう!!
炎のファンドマネージャー
8
2001/06/18
投資視点−頼りになる投資情報の参考メディア
炎のファンドマネジャー
7
2001/06/15
為替相場動向
生涯遊人
6
2001/06/14
フォロー:次世代液晶用TABテープ、COFの動向
大原部長
5
2001/06/11
どうなるこれからの株式相場
 今週の相場展望と売買作戦
炎のファンドマネージャー
4
2001/06/08
為替相場動向
生涯遊人
3
2001/06/07
小型株投資と大型株投資の楽しみ方の違い
炎のファンドマネージャー
2
2001/06/07
次世代液晶用TABテープ、COFの動向
億近テクノロジーリサーチチーム
1
2001/06/04
減益企業を評価する
炎のファンドマネージャー

15
2001/06/29 円の行方
生涯遊人
 

 円は言うまでもなく日本の通貨である。しかし外国為替市場で売られ気味の円は、日本人に恩恵を与えているであろうか。

 世界第二位の経済大国?の通貨としては、いささか尊敬されていない様な印象も受ける。これは、まだ日本経済がどん底に落ちる前の1980年代後半でも、各国の外貨準備、貿易決済に占める割合は、$には言うに及ばず、ドイツマルクにも劣っていた。まして今日をや。
 しかし日本人個人としては、その総額の貯蓄高は捨てたものではない。また機関投資家もしかりである。
 問題は、投資先がないこと、使われ道がないこと(国内では)だろう。

 この日本人の貯蓄と投資先のないジレンマを当て込んで、海外勢は、ここ数年日本で盛んに起債を行っている。所謂サムライ債というやつだ。
 サムライ債の場合、期間は1年以上数年だが、もっと短期間のCP(コマーシャルペーパー)の起債も盛んになっていると聞く。

 海外勢は、低い金利で資金調達ができ、国内の機関投資家・個人は、為替リスクをとらず、少しでも高い円金利を受け取れるメリットがある。

 このようにして調達された資金は、外貨に換えられるわけで、この手の円売り外貨買いがここ数ヶ月の円売り材料になっているのではないか、という説もある。

 まあ投資家としての日本人が恩恵を受けるのならよいだろうが、スズメの涙の金利を受け取り、海外企業が低利で集めた資金で日本との競争力格差をますます広げていくのは見ていてあまり気持ちがよいものではない。お金に国境はないのだから、いたしかたないが。

 かつては、傾斜投入方式で、低利で集められた銀行預金が、指定産業に振り分けられ、高度経済成長を成し遂げた資金が、いまや行き場を失い無駄な場所に塩付けになっている。
 日本の高度成長時代は、これらの資金が我々の生活を豊かにする為に使われ、プロジェクトXのような快挙も成し遂げられたのだが、21世紀のプロジェクトXは、民間の手で分配された資金を効率的に使い、円資金が、日本人のために使われるようになりたいものだ。
(生涯)

 

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14
2001/06/25 気になるこの株、この技術 久光製薬(4530)
炎のファンドマネージャー
 

 先週は2番底形成でほっと一息と思っていたが、本日はまた株価低迷。
 都議選の結果など関係ないように株価は梅雨時のごとき無常の雨。

 でも、今日の下げが絶好のチャンスであったと、夜な夜な開かれた銘柄検討会議では議論された。海外要因等で明日下げても、日経平均の12800円から下は買いではないかと力強いご託宣も聞かれ、SQ前後に向けては楽しみだ。

 …と、こう言っても大半の読者が半信半疑、おっかなびっくりであるに違いない。

 こういう時は、業績安心の堅い株しかないと探していたら、見つかった。バイオ株は余り取り上げないのか、なる読者の要望に応えて本日はこの株。そう久光製薬。(但し、堅すぎて当面は一気に株価が上昇しにくいのかも知れない。中期狙いでイチオシとしておこう…。ですから押し目買いスタンスでどうぞ。)

 私の故郷である佐賀が誇れる代表的企業の一つである、同社の株価が比較的堅調である。最近の動向をチェックしてみたので参照願いたい。

 いやあ、サロンパスで本当にここまで立派になるとは思いもしなかった。でも世界的企業に発展するのはこれからかも知れない・・・。(炎)

(この内容は私の有料購読者向けに6月16日付で配信したものを、若干手直ししたものです。)



	  時価   1952円
直近安値 1852円(5/28)
 同高値 2090円(6/11)

今期予想連結EPS 90.2円
     同PER 21.6倍
今期予想連結経常利益 170億5000万円
時価総額 1857億円


【ポイント】

1.前期は7期連続の増収、10期連続の経常増益を達成

  今期もモーラステープの好調で増収増益を見込む。
  前期末に2分割したが連結EPSは90円台をキープ。

前期実績       単独       連結
売上高(百万円) 62390(+14.2%)  65240(+14.7%)
経常利益(同)  14050(+26.2%)  14485(+26.2%)
EPS        70.1円      72.8円

今期予想
売上高(百万円) 70000(+12.2%)  73000(+11.9%)
経常利益(同)  16300(+18.9%)  17050(+17.7%)
EPS        87.3円      90.2円


2.前期から連結決算がスタート

主な子会社:
<海外>
 販売会社2社 製造販売会社2社、合弁会社2社 計6社

<国内>
 CATV会社2社
 医薬品のR&D会社アール・アール・エフ研究所(リボゾームリサイクルフ
 ァクター阻害要因の探索を行う)
 ジェノファンクション(遺伝子研究)
 タイヨー(損害保険の契約代行)
 九動(実験動物の飼育販売)
 タイヨー興産(広告取次ぎ)

3.外用鎮痛消炎剤 「モーラステープ」が好調

 外用鎮痛消炎剤(第二世代、軟膏含む)の市場は2000年2月からほぼ横
ばいであるが、同社の主力製品であるモーラス+モーラステープは堅調。
 医療用のモーラスとモーラステープの売上は、前期期初予想を上回る好調ぶ
りとなったが、今期も好調を見込む。
前期のモーラスの売上高は154億円(+13.6%)、モーラステープは2
34億円(+23.1%)となり、両方合わせて前期は388億円の売上高。
 シェアもモーラスで23%、モーラステープで66%を堅持。伸長の要因は
モーラスにおいて13回目の改良(ライナー印刷)を実施したこと。両方合わ
せて前期末時点では37%へと一気に3.1ポイントアップ。 

4.サロンパス・サロンシップもロングランで堅実

 発売以来60年を経過した一般向けの主力商品であるサロンパスは、今尚健
闘。ロングラン商品として前期も74億円(+3億円)を売上げた。「密着浸
透効果」というコンセプトの新しいテレビCMの効果が寄与。
 また、ワイドショーでサロンパスを足の裏に貼るとやせるとの報道も好影響
した。
 サロンシップも積極的な営業展開で5億円増加の40億円となった。

5.ライフセラは今期新商品投入 

 女性用スキンケアであるライフセラについては、当初予定していた新商品が
プラセンタエキスの使用禁止により投入できなかったことが影響し、1億60
00万円の減収となった。今期はその発売できなかった新商品が寄与する見込
みで、19億円の売上げを予想。

6.開発品目の上市予定

・CH003
 申請が予定より3ヶ月遅れたことで上市も2002年にずれる。
・HKT−500
 P3の実施を予定より早めることができ上市も1年早まる。
・KPT−220
 当初予定より1年発売が遅れる。
・HBS−107
 現在P2まで終了。当初予定2005年を2007年に変更。
・HFT−290
 2006年に確実に米国で発売可能とするために欧州での活動を米国にシフ
 トする。欧州での展開は米国での臨床データを利用したブリッジングで対応。

6.中期計画ではTTS技術に特化

 昨年10月に発表した中期経営計画では、TTS技術(経皮吸収治療システ
ム、つまり体に貼って有効成分を体内に送り込み、効率良く治療する技術)へ
の更なる集中特化、海外展開の推進、貼付剤マーケットにおけるシェア拡大が
柱。
 TTS技術を使うと様々な効能の薬品を上市することが可能となるので、サ
ロンパス会社としての同社の前途は一気に広がりを見せることになろう。

 すでにこの技術を生かしてホルモン剤「エストラジオ−ル」を上市。昨年1
1月には効能追加で骨粗しょう症を申請。1年後の発売を期待。このほか上記
開発品目に含まれるが、疼痛緩和剤「フェンタニール」や万有製薬と共同開発
の高脂血症治療剤などが数年後に発売の予定。

 TTS技術開発の推進を図るため、製剤開発センターを新設。2月から社長
直轄部署としてR&D戦略室を設置。早期の上市を目指した開発品目の進行管
理を行っている。

 従来同社で行ってきた遺伝子研究部門は、子会社ジェノファンクションに移
行。急速に展開されている世界ゲノム競争に柔軟に対応することが目的。リボ
ザイム技術を核に遺伝子の探索、解析の受託が主たる事業内容。

<海外展開について>
 癌性疼痛緩和剤HFT−290は市場の大きな米国に焦点。2006年上市
 予定。
 モーラステープは欧州での臨床試験が順調。2003年に上市予定。
 FDAのモノグラフ対応で、米国にはこれまでなかった貼付剤という新しい
 カテゴリーが載ることになり、同社の医薬品会社としてのステータスがアッ
 プする効果が狙える。

<貼付剤市場でのシェア拡大>
1)モーラス、モーラステープのシェア拡大
  売上高600億円(現在388億円)を目指す
2)エストラ−ナの啓蒙活動
  勉強会などの実施
3)密着浸透効果コンセプトの浸透
  久光の原点、広告などで宣伝


7.今期のトピックス

 東京本社移転:12月目途
 ブラジル、マウナス工場稼働、サロンパスの一貫生産へ
 バレーボールチームの統合
 授権株式数の拡大
 自己株消却積み立て金の積み増し(30億円)
(炎)
 

 

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13
2001/06/22 自動車株の展望
両津勘吉
 

 自動車株が堅調な推移を示している。

 5月の決算発表までは好調であろう業績と、120円レベルの為替を評価したわけだが、その後、利食い先行の形となっていた。
 しかし半導体・電子部品市況を中心にハイテク関連が手掛けにくく、今期の業績が期待できる自動車セクターにはマネーが入りやすい状況であった。それがここに来て現われてきている。特に為替が124円台まで来ており、ホンダ、日産においては1円の円安が約500億円ほどの利益増となることから、更なるサプライズを期待するわけだ。

 また米国の新車販売が、予想外な好調さを見せているのも背景にある。6月の実績が年率換算1680万台と、昨年実績1740万台から僅かな減少に済んでいる。1月当初は、今年の米国マーケットは1600万台割れも覚悟していただけに、驚きである。

 しかし米国の6月は少し特殊事情がある。それはGMがリースの特別プランを用意したため、このプランによる買い替えが約4万台ほどあり、全体のレベルを引き上げているのだ。
 とはいっても、今年に入ってからのインセンティブ状況を見ると悪い状況とは言えず、このペースが下期も継続すれば在庫の心配が薄れる(下期がどうなるのであろうか)。

 また、一部の欧州機関投資家にマネーが入ってきたというセルサイドもある。

 どこまで自動車株の人気が継続するのであろうか?

 6月といえば株主総会。総会終了後から持ち合い解消売りが出始めると言われており、そのマイナスは7月に入ってから出よう。6月までは売りたい金融機関とセルサイドの間でオプションが売買されており、セルサイドは行使価格を見ながら株価が上がったら売り、下がったら買いのポジションを取り続けてきた。以前、自動車株が一定の値幅から大きく乖離しなかったのはそのためである。

 しかし、総会終了後からは間違いなく現物売りがマーケットに出よう。都銀のポート中に占める割合では(自動車株に限定)トヨタがダントツ、次いでホンダである。持ち合い解消がかなり、もしくはほとんど終了したとディーラーの間で噂されているのはHOYAと日産である。日産自身も否定しない。しかしそれ以外の銘柄はまだまだ売りが継続しよう。

 特にトヨタの場合、そう簡単に解消が進まない。時価総額が大きく、自社株償却をやっていたら現金がどんどんなくなってしまう。おまけにグループ会社が退職金債務をトヨタ株の信託拠出で賄っており、トヨタ株の持ち合い解消売りによるダイリューションで株価下落が生じることになれば、頭の痛い問題となろう。

 何れにせよ、トヨタは株価と睨めっこしながらの経営戦略を取らざるを得ないであろう。

 ホンダは大きな売りが出ると噂されているものの、本当のところはわからない。しかし足元は絶好調、かつ4−6月決算が来月の終わりに発表されることより、押した局面では買いが直ぐに入ると予想する。(両津)

 

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12
2001/06/21 次世代液晶用TABテープ、COFの動向
億近テクノロジーリサーチチーム
 

 前回は、COFの市場展望及び、TABメーカーの動向について触れさせていただきました。今回は、COF開発のかぎを握る材料メーカーの動きについてお知らせさせていただきます。

 まず、前回のおさらいをする意味で、COFとは何かから始めます。

 COFは次世代の液晶用TABテープ材料であり、従来品であったデバイスホールをなくしたものです。これにより、駆動ICとフィルムを接続する際に用いていたフライングリードをなくし、駆動ICをフィルムに直接ボンディングすることが可能になり、狭ピッチ化に伴って問題となっていたフライングリードの脱落、変形の発生がおきにくくなりました。

 しかし、この実現には、従来フィルムと銅箔の間に使用していた接着剤をなくす必要があるため、接着剤なしでフィルムと銅箔をくっつける技術が極めて重要になってきます。

 現在、接着剤なしでフィルムを貼り付ける方法には、1)メッキ法、2)キャスティング法、3)ラミネート法が考えられています。

 メッキ法とはフィルムに銅を蒸着する方法、キャスティング法は銅箔にワニス状の樹脂を塗りつける方法、ラミネート法とは銅箔とフィルムを熱で圧着する方法、です。

 メッキ法は銅厚をコントロールすることが容易なため、微細回路がきれるというメリットがある反面、樹脂と銅の密着度が低くく(ピール強度)はがれてしまうという信頼性の点で根本的な課題が残されています。この解決のために、ピール強度をあげていこうとすると、回路間の絶縁性が低くなるそうです。

 この点、キャスティング法は要求されるピール強度を満たしているとともに、寸法安定性に優れています。これは、熱膨張係数を抑制した材料開発や、歪みを抑制した製造工程に負うところが多いようです。

 メッキ法は信頼性の点で、現在大きく立ち遅れていることが響き、2001年末には今の特性では使えないということで決定したという噂もあります。

 こういった特性上の優劣から、現在は、キャスティングがCOF市場の90%近くを占有するなど、圧倒的な競争力を誇っています(COFはFPCメーカーでまず採用され、現在TABメーカーに採用されつつある状況)。

 キャスティング法は新日鉄化学及びソニーケミカルが採用していますが、新日鉄化学がほとんど独占的に供給している状況だそうです。しかし、キャスティング法には銅とフィルムの間がざらざらになるため、透明度が低く、チップマウンター時には樹脂の裏からチップ位置を制御しなければいけないなどの実装工程でボトルネックがあることや、狭ピッチ化に対する適正ではメッキ法の方が優れているなど、課題が残されているのも事実です。

 市場は揺籃期にあり、現時点で雌雄が決定したとはいえません。従って、今後TABメーカー、デバイスメーカーがどの材料を採用していくかが、ポイントになってくると思います。 なお、三井金属はメッキ法、キャスティング法の両方のメーカーから購入しており、日立電線はメッキ法のメーカーから購入を行っているようです。

 以上、2回にわたってCOFの最新動向についてお話させていただきました。今後は別のお話をさせていただくことになるかと思いますが、各社のCOFの生産体制の計画、収益動向など実用化に伴う動きについても、分かり次第お伝えしていきたいと思います。

 

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11
2001/06/20 下げた時ほど燃えよう!!
炎のファンドマネジャー
 

 株式投資で儲けるノウハウは人それぞれかも知れないが、私の経験から一つだけ言わして頂くと、飽くことなき探究心が成功に繋がる、いわゆる「億の近道」である、と申しておきたい。

 よく高価な投資アドバイスを受けておられる方でも、下げてくると自分の非を認めずにあたかもそのアドバイザーが悪いかのような錯覚に陥ってしまい、そこで諦めて市場から離れていかれる方も多いが、それは逆なのではないだろうか。

 また、アドバイスする方も上げてきた時に強気せず、下げてきた時に良い銘柄を奨めておくような真摯な態度が求められる。

 上げた時は冷静に市場を眺めて、過熱感を読み取ることが重要。そして意に反して下げた時は、どこまで下げるかをこれまた冷静に見極めて、下げた時ほど燃えて、内容の良い銘柄を見出すことが必要となる。

 そこで冒頭に掲げた「下げた時ほど燃えよう!!」ということになる。

 「炎のファンドマネジャー」は、下げた時ほど燃えるファンドマネジャーの意味と理解して頂きたい。

 買った株が下げたからとウジウジせず、冷静に相場の流れを判断し、個別企業の動向に関心を持って、チャンスを窺うことにしましょう。全体が下げたからと言って、全部が全部下げてはいないことも事実。一握りの銘柄しか上げていないから暗いムードに包まれてしまうことになるが、自分の持株が上がらないとしても焦らず、騒がず。
 市場に集う投資家のすべてが炎のファンドマネジャーとなることを祈っております。

 ポートフォリオを組むことが、相場の上げ下げに関係なく重要であることを感じて頂けたなら、私の役割は果たせたものと考えます。
 現金ポジションまで入れたポートフォリオでリスク分散し、個別銘柄も安全かつ成長性を加味して選択すれば、それほど株式投資を恐れることはないのではないでしょうか。

 とにかく、全体相場が予想外に下げた時ほど燃える習性を身につけることが億の近道であるとの認識を、皆様にはお持ち頂きたいのです。

 炎はこの下げ局面で燃えております。 大いに新たなポートや、有望株を見出していきたいと考えておりますのでヨロシク・・・。(炎)

 

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10
2001/06/19 大原部長 芸能界デビュー?
億の近道発行プロジェクト
 

 投信のファンドマネージャーが芸能人なら、年金ファンドマネージャーは縁の下の力持ち、黒子、脇役といったところ。新聞に登場することもなく、ひたすら国民の財産を増やすことに専念する日々(投信も同じですが)。

 スポンサーとのプルデントマンルールを厳守しながら、夜の酒場でも株式の話題に夢中の大原部長。かつて酒の席で投信ファンドマネージャーはうらやましいと言っていたこともあるが、ついにマスメディアにデビューしちまった。

 ダイヤモンド社発行の「ZAI 8月号」だ。
 数人の株式プロフェッショナルの中に大原部長が紛れ込んでいる。神谷町のドラコン男がそうだ。

 編集部員の神門氏、熊谷氏が来られ、ちょっぴり緊張している大原部長を熊谷さんがハイチーズ。写真を元に漫画化され、なぜかゴルフクラブを握る大原さんになった。髪が七三分け、お腹もあまり出てなくて本人のイメージとはかけ離れている??本物の大原部長はもっとダンディです。

 紹介している銘柄は大原さんらしく日本ファンドリー、ロームと、なぜか苦手な小売のファーストリテイリングも掲載。

 今後も継続してZAIに登場する予定ですので、億近と平行してZAIも御購読のほど宜しくお願いいたします。(億近発行プロジェクトより)

 

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9
2001/06/19 新四季報をチェックしてみよう!!
炎のファンドマネージャー

 

  発売された会社四季報か会社情報はお手元にありますか?

 今日は投資家なら個人、機関投資家を問わず、四季報や会社情報を見てチェックしている筈だと思います。
 今回の会社四季報は2003年3月期の見通しまで入っており、そのあたりが一つのポイントになるかと思われます。
 今期の業績が減益であっても来期が急回復するなら、黙って買っておいて良い水準だとの判断が働けば、株価は下げ止まり、ないし上昇トレンドを継続することになります。

 そこでのポイントは来期EPSの水準。いくら急回復と言ってもEPSの水準が低いと評価の対象になりません。四季報などは会社見通しに色をつけて出していますので当てになる訳ではありませんが、そのあたりが一つのポイントになるかと思われます。皆さんも四季報をぜひご覧になってみて下さい。きっと宝の山があるに違いありません。

カナレ(5819)、なとり(2922)、共成レンテム(9680)、メック(4971)、リーガル(7938)、チヨダ(8185)、ハドソン(4822)などに注目。(炎)

 

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8
2001/06/18 投資視点−頼りになる投資情報の参考メディア
炎のファンドマネジャー

 

 これから株式をはじめようという方にとって、参考になる投資情報メディアは何かと問われると、大方のアドバイザーが以下の答えを返すに違いない。

1)日経新聞、日経金融新聞、日経産業新聞
2)会社四季報か日経会社情報
3)ワールドビジネスサテライトニュース及びモーニングサテライトニュース (TV東京)
4)東洋経済か週刊ダイヤモンド
5)日経ビジネス

以上は既存メディアであるが、もちろんご存じインターネットでは知る人ぞ知る、
5)億の近道があり、
紙媒体ではあるが銘柄のヒットが相次ぐ
6)ジャパンポストとくればこのアドバイザーは凄いとほめても良い(多少手前味噌?)。

 付け加えれば、最近はぢんぢ部長ではないが、転職情報誌が参考になる。と言い切れるならばもっと凄い。

 最近、株式会社ディジットが創刊した転職情報誌アイキャリアがよく出来ていると評価したい。既に創刊2号が発売されているが、価格は僅か300円である。きれいな表紙に形付けられた中身のない雑誌と思いきや、そうではないのであります。

 そこにはテクノロジーのことから就職ニーズの高い企業のことまで、株式投資に役立つエッセンスがちりばめられているのであります。

 投資に役立つことは、自称素人としながらプロはだしの成果を上げているぢんぢ部長のポートフォリオを見ても判るでしょう。
 私もこの間、この雑誌からヒントを得て、オルガノという銘柄を見出したりもしました。今月は楽天について書かれていますし、世界の常識を覆したとされる「イワモト触媒」のことも書かれています。この内容で300円は驚異的。単に転職活動だけでなく、投資にも役立つこと請け合います。(炎)

 

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7
2001/06/15 為替相場動向
生涯遊人

 

 先週は、某都市銀行が、機関投資家の売りとみられる大量の$売りを出し、またユーロ円の売りによって、$円は118円台を見たが、今週はあっさりと122円台まで戻してしまった。

 GDPの数字の悪化などを受けて、日本経済のスローダウン、株価の下落などをみて、外国人の$買いが優勢だった。 また今週の日銀政策会合で、さらなる金融緩和があるのではないか、との観測からも$買いが進行した。

 ただ122円台では、輸出企業から大量の$売り需要があり、またオプションプレーヤーによる$売りもあり、122.50円を抜けることができなかった。

 昨晩、全米製造業者協会会長による、$は25−30%オーバーヴァリューしているとの発言により、$売りに拍車がかかり、$円、ユーロ$ともに、$売りとなった。

 円高が本邦輸出業者にとって減益要因となるように、$高は、米国の製造業者にとっては好ましいものではない。$円に限らず、すべての通貨で$高が進み$の実効相場は上昇しており、これが米国製造業の競争力を削いでいることに対する懸念表明であろう。クリントン政権では、米国に世界から資金を呼び込み、米国債と株式を買ってもらい、財政赤字のファイナンスと、株高を謳歌してきた。そのために、米国財務長官は、強い$は米国の国益と再三述べて海外投資家の$下落の不安を取り除いてきた。いまのところブッシュ政権のオニール財務長官もその政策を継承しているが、産業界に近いと言われるブッシュ政権で、このように産業界から懸念が出はじめると、どこまで$高政策を継続できるだろうか。

 たとえ政権が$高政策を継続させたくとも、このような不協和音がでることにより、$下落のシナリオが描かれる可能性も否定できない。(生涯)

 

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6
2001/06/14 フォロー:次世代液晶用TABテープ、COFの動向
大原部長

 

 大原です。
先週掲載の技術コラムに、読者からの質問がありましたのでフォローいたします。自宅からの返答なので、資料がなく、うろ覚えです。間違っていたら、億近テクノロジーリサーチチームの人、直してね。

(1)TABとはなに??

 文字どおり、テープ状でどんどんボンディングしましょうということ。ボンディングとは、チップと基盤にくっつけること。テープとはいえ、配線部(銅箔)と保護層は樹脂(ポリイイドなど感光で加工しやすいもの)に分かれる。配線が両面にあったり、そのバリエーションがいろいろある。要は、テープ状態で釣りのリールのようにして、どんどんテープを流し、流しそうめんのように、流れ作業でテープをパンチングから、リード加工から、樹脂の穴開けまで、ICパッケージができてしまう上に、ボンディングまで終了してしまうという量産性の高さが売り物です。

(2)なんでTAB?

 DRAMなどはTABでやっている。LCDドライバーはTABです。同じTABでも、LCDのほうが、TABとしては難しい。DRAMは端子の数が20程度じゃなかったかな。しかし、ドライバーは画素数に対応するからもっともっと多い。だから、狭いピッチとなります。
 ドライバーの数は、ひとつで全画素に対応させると配線の引き回しが不可能になるので、分散化している。画素を特定するスキャンラインと画像信号を送るラインとで役割を分けている。スキャンするだけのラインなら、ドライバーは非常に簡単なので、たいしたピッチとはならない。信号を送るドライバーこそがここで問題となる最先端TABの出番となります。ドライバーはだから縦横数個程度は必要になってしまう。PDPなど、強烈なでかいドライバーがいるため、TABでははく、プリント配線板で、つないでいる。

「読者より:ドライブICの接続用端子のピッチのファイン化が求められているという意味ですか。テープのピッチとは何でしょう。ICとテープを接続するのですか。」

 ファインピッチは、おっしゃるように、ICの端子のピッチとあわせて、テープの受ける部分パッドを作成しなければならりません。IC側はIC側で問題が起こるが、テープ側も加工法まで含めて問題が多い。

(3)TABは、低温ポリシリコン基盤では、ドライバーがいらないので必要とされない。
 ここが、TABを多くの投資家が嫌がる理由になっている。もちろん、棲み分けがあるのだから、そう単純にだめなはずがない。
 ただ、直付けにしろ、なんにしろ、扱う情報量がますます多くなるのに、配線引き回しが平面処理という点にそもそもの無理があるわけです。3次元的な実装がいいのは、配線距離が短くなるということにつきます。配線が短いことはいろんな意味で絶対条件になる。ICチップはそもそも多層配線でその点をクリアしている。次にパッケージもそうなった。

 今後は、配線板もビルドアップとなりつつある。そういう意味でも、液晶はポリシリコンTFTの優位性が際立っていると思う。TABは配線強度と狭ピッチという反する課題を同時に突きつけられている。強度は犠牲になるんじゃないのかなあ。素材も、変わっていくだろう。(大原)

 

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5
2001/06/11 どうなるこれからの株式相場
 今週の相場展望と売買作戦
炎のファンドマネージャー

 

 先週は日経平均が13000円を割れるなど調整場面となりましたが、火曜日にザラ場で13000円割れを演じてからは、週後半にかけて出直って参りました。
 今週もこうした流れの下でスタートしましたが、ここからの展開は関心の的でありましょう。そこで私、炎は、アイリス・ジャパン・インベストメントのテクニカルアナリストでありますテクアナI氏こと伊藤邦明氏に、今週の相場見通しについてコメントを求めたみたところ、以下の回答が返ってきました。

 伊藤氏はこれまでこの億の近道でテクアナI氏として親しまれ、独特のテクニカルツールを背景に、適確な相場見通しをこれまでも皆様に披露して頂いた方であります。
 私もこの方に結構世話になっている手前、多少宣伝することをお許し願いたいのですが、本当に独特のものをお持ちです。

 テクニカルは一種独特の世界で極めるのが本当に難しいのですが、当たり外れ(儲かるかどうか)はともかく、奥の深い世界であることは、否定できません。最近はコンピュータの発達で、パソコンを駆使して様々なテクニカルチャートを活用しながら、投資にあたっている方が多いと聞いております。

 テク二カルとファンダメンタルズをうまく活用して、大いに成果を高めて頂きたいと思います。 下記はその伊藤氏の配信しております投資レポートの6月8日号から、特別に許可を得て掲載したものであります。参考までにご覧下さい。


「公的資金の配分や選挙控えで先高感あるが来週は二番底形成の突っ込み買い」

 6月のSQ算出を無事通過したことから下値不安が後退し、押し目買いが入るようになった。95年以降公的資金が6月に配分となり、6月相場高の一因を担っているが、今年は果たして…。結論から言えば6月高に異存なし。6月中旬から7月高へとコマを進めることになろう。公的資金が6月配分となった95年以降の6月相場を見ると、95年以外すべて値上がりしている。それに驚くべきことに、ここ10年間6月にその年の高値をつけたのが4回もある。
 この種のデータを無視する訳にはいかないと考えるがどうだろう。それに今年は7月に選挙が行われる。選挙の1ヶ月程前から株価は上昇に転じる傾向がある。
 選挙前の株高で信頼を得る見え見えの戦略だが、今年は公的資金の配分と合致していることから、6−7月株高の確率が随分と高いと踏んでおきたい。

 さて、株式展望であるが、3/15の安値11433円に対する二番底模索の週となろう。日経平均の日足波動を見ると5/7の高値14556円まできれいに上げ三段上昇五波動を描いた後、下げ二段下降三波動の下げの最終局面に入っている。エリオットの波動論からは3/15の安値11433円から小回り3ヶ月経過の来週に二番底を形成することになろう。

 日経平均の来週のレンジは12800円〜13700円を想定。週前半高で一旦手をすかし、13000円台割れから突っ込み狙いと考える。

(**伊藤氏は現在、投資顧問会社アイリス・ジャパン・インベストメントを 運営しております。
 興味のある方はぜひ一度HPをご覧下さい。)

 

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2001/06/08 為替相場動向
生涯遊人

 

 昨日の英国総選挙で、ブレア労働党は大勝した模様だが、今週は、英国ポンドが熱かった。

 というのも、ブレア労働党政権は、英国のユーロ早期加入に積極的で、当初の予定ではこの総選挙で国民に信を問い、1年後に国民投票によってユーロ参加を決めるというものだった(当然、保守党はユーロの参加に反対)。
 そのためにも労働党は、僅差ではなく、保守党に対して圧倒的な勝利が必要であったわけだ。

 さて、労働党の勝利は選挙前から予想されていたために、外為市場では、英国ポンドがユーロに参加するという前提で変動した。

 かつて英国ポンドは、ERMという通貨制度に加盟しており、欧州各国の通貨と狭いレンジで連動していた。このとき英国ポンドが、その実力に比べて高い水準で維持されていたために、そこに目をつけポンドにアタックをかけたのが、皆さんご存知のジョージ=ソロスでした。

 英国ポンドはその攻撃に耐え切れずERMを離脱しましたが、そのときの水準が対マルクで2.95、いまの対ユーロの水準でも10%以上、英国ポンドがユーロに対して強い状態が継続しています。

 ユーロ参加の条件は、ユーロ各国と同水準の金利、財政赤字が決められているために、もしユーロに参加するならばその基準まで寄せていかなければなりません。このために、現在ユーロに対して高い水準にある英国ポンドは、売り込まれたわけです。また英国の長期債も売り込まれた。 弱いユーロにより、欧州各国の輸出企業は恩恵を受けているが、ユーロに対して強い英国ポンドにより、英国の輸出産業は打撃を受けている。日本の自動車メーカーの工場が多い英国に、かつて日本企業が懸念を表明したことを記憶しておられる方も多いと思う。

 このように、経済的にはユーロに参加するメリットが大きいものの、歴史的に欧州大陸と距離を保ち、欧州の勢力均衡が外交政策であった誇り高い英国が、ユーロに参加するかどうかまだ予断を許さず、英国ポンド相場には、まだ波乱があるでしょう。(生涯)

 

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2001/06/07 小型株投資と大型株投資の楽しみ方の違い
炎のファンドマネージャー

 

 連休明け後にピークを打った株式市場は調整局面が続いており、皆様の投資成果もそうした流れで停滞場面となっているでしょうがどうでしょうか。

 バブル崩壊後の後遺症に悩まされ続けてきた日本経済が、うまくこの困難を克服して、再生ができるかどうかは、結果として株式市場にとっても影響を及ぼします。
 卵が先か、ニワトリが先かの議論にはなりますが、今はどちらかと言えば、多少小泉新政権誕生による期待感の先行で株式市場が先に明るさを取り戻している状況であろうかと思われます。

 全体相場の流れは低(ゼロ)金利下での金余り相場が底流にありますので、出来高面では大型株で商いがこなせる銘柄が中心になるでしょうから、恐らくインデックス対応のポートフォリオや中低位銘柄中心に運用されている方にとっては、一時期高い成果を得られたものと拝察致します。

 億近読者の中には兼松を166円で35000株もお買いになって、億の近道を実践された方もお見えになるそうですが、これはその端的な例かと思います。

 このことは億近のポートフォリオバトルでも一時明確に表れておりました。残念ながら私は店頭小型株に比重を置いているため、5月半ばまでインデックス並みの成果しか得られておりませんでしたが、その後は小型株特有の動きを見せる銘柄に助けられ、成果を高めさせて頂きました。皆様にもきっと楽しんで貰えていることかと思います。

 本日は「小型株投資と大型株投資の楽しみ方の違い」として皆様、特に最近株式投資を始められた方々に、簡単な投資アドバイスをさせて頂きたいと思います。


 私はどちらかと言うと小型株にアクセントを置いて企業調査を行って参りましたので、そうした小型成長企業を中心にアピールすることが多いのですが、アピールしたからと言ってそれが絶対ということはありません。

 誤解しないで頂きたいのですが、ケインズ先生がおっしゃったように「株式投資は美人投票である。」との考えは多くの場合はあてはまります。つまり、野球観戦に行った皆さんが、打つ確率の高いイチローにヒットを期待するように、株式投資も投資する以上確率の高い(皆さんの期待値が高い)ところに賭ける方がより高い成果が得られる訳で、一般的には皆さんのなじみの高い銘柄が上昇相場(皆さんが市場に資金を入れて相場観戦し始めた時)では活躍することになります。

 但し、まだ成熟していないプレーヤーが突然のように成長し、スタープレーヤーとなって大活躍することもありえます。

 私の役割の大半は、皆さんにそうした無名のスタープレイヤーを紹介することであります。そしてそうしたプレイヤーに小型株が多いという単純な構図が描けるのです。

 今大活躍しているイチローなどの選手も、もとはと言えば無名の選手。努力があって時間をかけ、切磋琢磨した結果素晴らしいプレイヤーになるのです。
 小型株はそうした時間軸の中で徐々に醸成され、水面下で着実に力が蓄えられている可能性が高いので、じっくりと時間をかけて見ていく必要があります。

 動きは軽くフットワークは良いのですが、パワーには欠けるケースが多いのが欠点ではありますが、大型株とうまく組み合わせて楽しむと結構面白いのではないかと考えております。

 以下にそれぞれの投資のポイントを箇条書きしておきます。


【大型株投資の良さ】

1.売買が頻繁に行える。(つまり買いやすく売り易い)
2.信用取引が活用できて少額資金で投機的な運用ができる。
3.インデックス対応型銘柄を選択するとほぼインデックスと同様の変動が期待できる。
4.チャートが活用しやすい。

【大型株投資の欠点、物足らなさ】

1.ついつい頻繁に売買してしまって薄利多売で儲けが小さくなりがち。
2.値上がり率がインデックス並みに限定されるケースが多い。
3.値動きが重い

【小型株投資の良さ】

1.時にインデックス以上の高い成果を得られる。
2.長期投資で企業成長につれて高い成果が得られることが多い。
3.値動きが軽い。
4.タイミングさえ良ければ短期で極めて高い成果を得ることもある。
5.余りプレミアムがついていない低PER銘柄が数多く残っている。
6.業績面でのサプライズを生じやすい。(但しマイナスのケースもある)

【小型株の欠点】

1.まとめて買うには流動性が低いため売買しにくいケースが多い。
2.上昇や人気化が単発で終わるケースが多い。
3.信用取引ができないことが圧倒的。
4.企業内容のディスクローズが不足している。
5.知名度がなく投資に二の足を踏むことが多い。
6.株価変動が大きく値下がりする時も短期間に起こることもあるので一般的な投資対象になりにくい。

 以上のような問題点も考えられますので、初心者の方はよほど熟練するまでは短期的な売買や、急騰場面での買いは慎む方が良いでしょう。ただ、ある限られた銘柄をじっくり追いかけていますと、だんだんと株価の動きの特徴などもわかってきますし、事業内容なども理解されれば投資タイミングもわかってくるかと思います。

(このコンテンツは、私の有料購読者向けに5/12に配信したものです 炎)

 

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2001/06/07 次世代液晶用TABテープ、COFの動向
億近テクノロジーリサーチチーム

 

 初回は、液晶用TABテープの新しい技術の潮流について、取材ベースのお話を簡単にお知らせしたいと思います。

 携帯電話のカラー化やLCDテレビなど、高画質が要求される液晶ディスプレイの世界では、現在、配線の微細化が日進月歩の状況にあり、これを駆動させるドライバーIC用のTABテープにもファインピッチ化が求められています。

 現在の配線ピッチは、ハイエンド品で40−50μmを実現していますが、今年中には35μm、その後1年間で5μmずつ微細化の要求が厳しくなってくることが予想されています。しかし、現在の3層タイプの液晶用TABテープでは、40μmが限界といわれています。そこで、注目されているのが2層タイプのCOF(Chip On Film)です。

 従来の3層タイプでは、駆動ICとリードを接続する際に、デバイスホールに配線されたフライングリードを用いていました。配線ピッチが微細化してくると、このフライングリードが外圧によって脱落したり、変形するという問題が発生します。COFは、このデバイスホール、フライングリードをなくして駆動ICをフィルムに直接ボンディングすることで、リードの変形、断線をおきにくくしたテープです。

 COFは、従来のパソコンや携帯電話向けに加え、画質の向上が要求されるLCDテレビやPDPでの用途でも注目を集めています。現在は、まだシャープやエプソンなど一部のデバイスメーカーが採用を開始してる段階で、マーケット全体の出荷量も月次で300〜500万個程度にとどまっています。

 しかし、将来的にはLCDモジュールやPDPモジュールの大半がCOF化すると考えられており、今後5年間ぐらいで10倍にまで市場が拡大してくることが期待されています。

 液晶用のTABテープでは、三井金属が世界シェアの60%、新藤電子が35%、残りの5%を日立電線などが占めるという構図でした。COFでも、基本的にこの3社がメインプレイヤーになることは間違いないと思います。

 しかし、COFのポイントはTABテープメーカーというよりも、むしろ材料メーカーの方に力点があると思われます。現在、COFの立上がりが予想より半年程度遅れていますが、これは材料である2層材が不足していることも一つの大きな要因となっています。従って、COFの実現は材料メーカーの動向が重要になってくることが考えられます。

 次回では、材料メーカーの動向についてお知らせしたいと思います。

 

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2001/06/04 減益企業を評価する
炎のファンドマネージャー

 

 3月決算の発表が一巡し、各アナリストは内容の吟味に忙しい。彼らのマンパワー力からすると、市場で人気の高いコア銘柄へのリサーチがまず中心になるが、今期の決算見通しは一様にシビアであるので、レーティングは引き下げられがち。
 全体株式市場の低迷も、こうした見通しの悪化に伴なうものと推察される。

 今期の決算見通しを減益とした企業の株価は一様に冴えないが、いずれは見直される局面が到来するだろう。
 好業績見通しを発表した企業も、中には大風呂敷を敷いて結果は投資家の期待を裏切ることもあろうし、逆に減益決算見通しを出した企業も実体は良かったり、慎重すぎる見通しで結果としては投資家にメリットをもたらすことも考えられる。

 ここで考えておかないとならないことは、今期の見通しを明るく出した企業は、希少価値から高く評価されがち。人気が集中して実体以上に買われてしまい、その後の下げに繋がるケースも多い。

 また、反対に今期について弱気の見通しを出した企業は、実体は無視して極端に株価は売られてしまうことだ。

 かくした市場には今期の好業績を見込む企業と、今期の減益見通しを示す企業が混在。IT産業を中心にした米国景気の先行き不透明など様々な要因を背景に、決算見通しにまだら模様が増える中で、アナリストや投資家は好業績企業ばかりに目を向けずに、減益銘柄にも投資価値を見出す努力が必要である。

 一般的な投資視点では、好業績銘柄が良いに決まっているという認識があるが、好業績見通し銘柄にもリスクは付き纏う。
 逆に、株価水準がある程度下げてしまった銘柄では、減益と言っても恐れる必要はない。企業価値から判断して売られ過ぎと判断される銘柄も見出されるのである。

 薬品の山之内(4503)、電機のファナック(6954)、電子部品の京セラ(6971)、松下通信(6781)など、吟味して評価すべき位置に到達しつつある銘柄は、機関投資家にとっても関心の的であろう。
 日本を代表するこれらの企業は、下手をすれば外資系企業のM&Aの標的にすらなりうるのである。

 今、私の有料コンテンツでも今期減益見通しを発表した某大手有力電機会社を取り上げたり、今期は先行投資で減益見通しながら将来性の高いEコマースの有力企業を紹介。このほか、店頭小型のK電気や合成樹脂関連の有力企業E社などに取材を敢行。追々紹介していこうと考えている。

 先般小型株ポートで取り上げたA社などは、IRなどには全く関心のない企業だったが、今期の弱気すぎる見通し(今期の経常利益を大幅減益と発表)を出して株価は一気に急落。340円台に下げてしまったが、これなども今期予想連結EPSを34円と発表してのもの。実体価値は主力ユーザーのホンダ次第ではあるが、あまりに保守的と会社側も認めてはいる。

 調整相場の打破には、こうした減益銘柄に対する前向きな評価が不可欠。あちらこちらで見出される銘柄を吟味した上、中長期の視点で投資することが成果に繋がろう。(炎)

 

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