オプション バックナンバー 2000年6月分

2000/06/29(水)

 米FOMC(連邦公開市場委員会)は、FF金利誘導目標を現行の6.5%のまま据え置くことを決めた。「需要の伸びが潜在的な供給能力に見合うペースに向けて減速しはじめている兆候が出ている。」「コア部分の物価上昇速度は、前年同期に比べて若干加速しているが生産性の改善によって製造コスト、物価上昇圧力は抑制されている。」との判断が金利据え置きの背景となった。
 利上げ見送りを受け、NY株式は反発。「インフレ抑制を急ぐ余り景気が損なわれてしまう」といった懸念が払拭。買い安心感が広がったが、一本調子の上昇とはならなかった。向こう数ヶ月間で追加利上げが実施されるとの観測から、引け際には株価は押しを入れた。しかしインフレ懸念の後退、利上げ据え置きは当面の間、株式市場にとってはプラス材料として働く。

 米国株式の堅調な動きを映し、ハイテク、情報通信を中心に国際優良株が買い直され、指数の押し上げに貢献する。引続き日経平均の18000円台乗せに期待。

 7月限180コールを80円前後での待ち伏せ買い方針。

2000/06/27(火)

 日経平均は下値切り上げ型のW底を形成。6/25の戻り高値17364円を抜けば、この事がより明確化することになる。衆院選が終わり、28日の米FOMCを経て、7月相場は戻りを試す展開に。米FOMCでは長期金利の低下から利上げが見送られる事になろう。今回はFOMCの結果より、コメントに注目。引続きインフレ懸念を表明したものになると見られる。
 しかし次回8/22のFOMCまでは時間があり、利上げ有り、無しに関わらずNY株式は7月相場高、即ちサマーラリーへ突入と相成ろう。NASDAQ指数は7月相場で4500ポイントを目指す展開に。総選挙も終り、日本株式は再びNASDAQ指数との連動性を高め、日経平均は18000円にトライか。
 7/4発表の日銀短観は、大企業、製造業の業況判断DIはマイナス4が平均予想であり、前回3月と比べ5ポイントの改善を見込む。続く9月予想は、±0と更なる改善が見込まれ、国内景気や企業収益などファンダメンタルズの改善傾向を手懸りに、相場全般の嵩上げを期待。
 再び180コール狙いとします。50円目途に押し目買い。

2000/06/26(月)

  「政権の選択」が争点となった第42回衆院選挙は、連立与党が絶対安定多数である271議席、又自民党が233議席と、野中幹事長の勝算ラインである229議席を確保したことから森政権の続投で、政権交代、政権再々編を含めた政局混迷は避けられることになった。今後は、選挙後の具体的な経済政策に焦点が当てられることになります。
 衆院選を終え、当面の不透明要因の一つが解消。28日にはFOMCも終了することから、今週は前半もたつき、週後半堅調の相場展開を考えておいていいでしょう。

 先週22日に仕込みの160プット(55円買い)は、前場120円の高値があって110円は25円高。短期でプレミアム価格倍増であり、機械的に元本確保の為の半分利食いを実行して頂けたかと思います。

2000/06/22(木)

  先週16日、今週19日の仕込み指示の180コール(25円〜35円)は、本日前場150円で取引きを終え、プレミアム価格は4―6倍にも跳ね上がった。半分は元本確保の為の利食いと致しましたが、残りの玉も後場利を入れておくことをお奨めします。

 日経平均は今週に入り4日続伸で、1000円もの値上がり。6/5の戻り高値を抜いたことは好感されるが、日経平均のSTC指数Kラインが90ポイント台の警戒ゾーン入りに達し、TOPIXも1600ポイントでKラインが警戒ゾーン入りに届く。
 T・S波動日足VOLのエネルギーラインが日経平均、TOPIX共々40ポイント台と水準が低いことから、押し目買いでいいがスピード調整を視野に入れ臨むことに致しましょう。

 上級者はドテン160プットの買い。TOPIXの1601ポイント以上の引けなら180コールにへッジ買いを入れ、ロングストラングルで対処。比率はプット3に対しコール1の割合で。

2000/06/20(火)

 25日の衆院選挙について、今朝の朝刊各紙が「与党が安定多数確保の勢い」と報じた事も買い安心感に繋がり、前場日経平均は300円を超える上げを演じている。一部では「自民党が単独で安定多数を確保できる」との見方も出てきており、政局混迷による株式市場への影響が回避との楽観論も台頭。自民党が圧勝なら、経済対策への期待の高まりから景気に対する不安感は薄れることになろうが、選挙は水モノ。一寸先は闇であり、ここでは結論を急がないでおこう。
 景気回復優先か財政再建かの分かれ目が、野中幹事長の言う229議席を割るか割らないであり、勝敗ラインを維持なら、森政権続投で総選挙後の政権の枠組みや、その後の具体的経済政策などを株式市場が織込む展開となり、7月相場での日経平均の18000円台乗せが期待できよう。
 いずれにしても総選挙の結果次第。先に仕込んだ180Cは持続とし、16日、19日に仕込んだ180C6枚は、プレミアム価格倍増で手堅く利食いとしておきましょう。元本確保なら安心です。

2000/06/19(月)

 外国人投資家は5月月間で1兆283億円も売り越した他、6月第1週(6/5―6/9)も1817億円の売り越しである。国内に目を向ければ、金融機関と事業法人はリスク資産圧縮のため、持合い解消の売りを進めているほか、値嵩ハイテク株は信用取引の期日を控え、戻り待ちの売り圧力が強く、需給関係は芳しくない。

 一方、日本経済は緩やかながらも着実に改善傾向を辿っている事と、企業業績も2000年度26%も連結経常増益、2001年度も14%増益(大和総研予想)と改善が見られ、現状は「需給悪対業績回復」の綱引き相場となっている。25日の「衆院総選挙の結果を見極めたい」とのムードも強く、上値の重い展開が予想されている。

 本日前場は、4日続落の後だけに、銀行株を中心に突っ込み警戒感台頭から買い戻しが入り、日経平均、TOPIX共々反発であるが、まだ上値は限定的と考えざるを得ない。

 戻り局面では155のプットも拾い、175コールとのストラングルのストラテジー(両建て)で臨むことを奨めておこう。

2000/06/15(木)

  米国は5月の小売売上高が景気減速を示し、前日発表の5月の消費者物価指数(CPI)も0.1%増と緩やかな上昇で、予想の範囲内であったことから、景気のソフトランディングが達成できるとのコンセンサスができつつあることから、連続的な大幅利上げ懸念が大きく後退したが、1)景気鈍化が企業業績に影響を与える恐れ、2)株価の上昇が再び景気を押し上げる恐れ、以上2つの懸念が台頭してきており、注意が必要ではないか。米国の景気減速傾向が日本の景気回復の足を引っ張るとの懸念も指摘されており、日本株式市場に対しても一層慎重さが要求される事になろう。
 ただ、目先は明日16日STC指数が10ポイント割れの売られ過ぎゾーンに達することや、来週19日にはT・S波動日足VOLのエネルギーラインが5月30日以来の売られ過ぎゾーンに達する見通しであることなどから、突っ込み買いに分有りと判断する。180Cに二度目の買い(前回の倍の6枚買い)を入れておきましょう。

2000/06/13(火)

 日経平均は25日線を挟んで小動きの展開が続いている。17261円を抜き、2段上げ相場が待たれるところだが、その前に5/26の安値15870円に対する2番底確認が先決。一応フィナボッチ指数で重視される黄金分割比38.2%理論を当てはめてみると、16729円、50%理論では16565円が2番底の下値目途ということになる。
 株価が底打ちから反転体勢入りで、かつ25日線でもみ合ったケースは今年は3月相場で一度ある。当時は5日程度もみ合った後、上放れから日経平均はめでたく高値に踊り出た。
  果たして今回はどうなるかであるが、T・S波動からは日柄的にはあと4―5日の辛抱である。19日前後に2番底を打てば、6月相場も昨年10月以降続いている月末月初高―中旬安のお決まりのコースを継続することになる。いずれにしても押し目買い。2段上げ相場では、18000円台乗せが十分期待できよう。引続き180Cの押し目狙い。

2000/06/12(月)

  日経平均は予測通り25日移動平均線までの反発後、定石通り押し目を入れた。黄金分割比38.2%理論の16700円台までの調整を想定し、7月限180コールを100円前後での打診買いを奨めておいたが、180コールは本日(12日)85円の安値があり、一応手当てが出来たかと思います。
 日経平均への影響度が大きい値嵩ハイテク株は、1―3月にかけ高値を付けた銘柄が大半であり、信用取引の期日到来による売り圧力が警戒されており、物色の矛先が向かった中低位の内需関連株だけで指数の大きな切返しは難しい。
 プレミアム価格倍増で手堅く利を入れ、再度押し目にトライとこまめな戦法で臨むことに致しましょう。

2000/06/08(木)

 1―3月の法人企業統計で設備投資が3.3%増(前年同期比)と、2年3ヶ月ぶりにプラスに転じたことから、明日発表の1―3月期GDPは年率10%以上の成長が予想されている。今日は、明日9日に6月限株価指数先物・オプションのSQ算出を控えていることで、日経平均に採用されている値嵩株はSQに絡んだ売買の影響を受け易い事から、機関投資家の動きが鈍い。この為、前日のNY株式が堅調であったのも拘らず連動性が見られず、日経平均、TOPIX共々マイナスに転じてしまっております。

 指数の押し上げには値嵩ハイテク株の出直りが必要であり、SQ明け後の需給改善に期待。押し目7月限180C狙い方針。

2000/06/06(火)

 景気減速を示す経済指標が相次ぎ、大幅利上げ懸念が後退した事からNASDAQ指数は先週19%と、過去最大の上昇率を記録した。指摘しておいた3780ポイントの転換足の節を一気に抜いたが、3864ポイント、4009ポイントと節が目白押しであり、6/28のFOMCでの利上げ前に4000ポイント台乗せは疑問。5月の米雇用統計で、非農業者雇用数が事前予想を大幅に下回り景気の沈静化を示す内容となっても、サービス業は27万8000人増と順調な増加が続いており、予断は許されない。

 又、4月の耐久財受注減も、設備投資の先行指標となる国防関連と輸送機器を除いた耐久財受注はむしろ増加傾向にあることと、FRBは引締め姿勢を崩していない点に留意。

 170Cの360円利食いは正解。冷静に押し目を待ち、次は7月限180Cの100円前後をターゲットに。プットについてはよくて倍増なら狙いません。
2000/06/05(月)
 先週週末2日に発表された5月の米雇用統計で、雇用者数と賃金の伸び悩みが明らかとなり、NY株式は大幅高。週明けの東京株式は、NY株高の動きを好感する格好で朝方から買いが先行し、日経平均は5/18以来の17000円台乗せ。先週指摘しておいた25日線までの上げを果たした。

 170Cは16426円抜けで打診買いを奨めておきましたが、110〜120円で仕込みが出来たかと思う。前場高値360円が入り、短期でプレミアム価格は3倍増であり、早速の利食いを奨めておこう。
 週末9日に1―3月期のGDP発表、先物・オプションのSQ算出(1銘柄10―20万株の売り越し予想)を控えており、週後半の波乱も頭に入れておきたい。裁定買い残も引続き高水準。
 衆院選挙前で政局が流動的な点も考慮し、利食える時に手堅く利を入れておきましょう。
2000/06/01(木)
 転換足の節目である16426円抜け(終値ベース)が重要なポイント。節抜けなら25日移動平均線(5/31現在17266.72円)程度までのリバウンドが考えられる。日経平均、TOPIX共々、前日まで陽・陰・陽・陰の5本線を形成し、目先の底打ちが濃厚。諸々のチャートの短期指標は「陰の極入り」であり、急落後の自律反動高が期待できることになります。下振れリスクは、15827円を切ってしまった時。この場合は、T・S波動週間VOLの人気ラインの20ポイント割れである15526円までの下げが浮上してしまう。

 難解な相場であり、アレコレ注文がついてしまうが、転換足が陽転提示ならその後押しを入れても16000円の攻防戦に焦点を当てられる事になります。オプション戦略は、16426円抜け確認で170Cに打診買い。来週にSQ算出を控えており、3割の値下りでロスカットが前提。
あくまで投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり内容を保証したわけではありません。
投資に当たっては投資家自らの判断でお願いします。
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