オプション バックナンバー 2000年9月分

2000/09/28(木

【投信買い期待から買い安心感、170C打診買いを】

 寄り前に発表された8月の鉱工業生産指数は前月比3.3%の上昇と、事前予想の+3.1%を上回った。前回の最高である91年5月の108.1をも上回り過去最高を更新し、景況感の改善を示す結果となった事や、需給面でも月末にかけて投信の新規設定を控えている事などから、買い安心感が強まった。鉱工業生産指数は堅調な国内景気や企業業績を裏付ける内容であり、株価の下支え要因となった。

 又、本日の投信設定はパートナーズ投信の「ファンドオブオールスターファンズ」の1100億円を始め4本で、約1320億円の設定で主力ハイテク株に幅広く買いが入った。明日の9月中期決算期末は、投信買いの他新規資金の流入する年金買い、金融機関の期末のドレッシング買い等が期待でき、中間期末の日経平均が16000円の大台を回復するかどうかに焦点が当てられよう。

 昨日、日経平均、TOPIX共々STC指数Kラインが10ポイント割れの売られ過ぎゾーン入りした事から短期的な底入れを期待したいが、テクニカル上の陽転となる日経平均16000円台回復と米国株式の落ち着きが鍵を握る事は言うまでもないこと。11月限170Cに打診的な買いを…。

2000/09/26(火

【投信設定控えで日経平均の下値は限定的、コール買い準備】

 昨日の東京株式は、懸念材料であった原油とユーロ相場が安定化の兆しを見せたことが好感され、買いが先行し一時日経平均は325円高の16144円まで値を上げたが、先週週末に開かれたG7の結果を受けた米国株式市場の動向を見極めたいといったことや、受渡しベースで月内最終売買日に当たり市場参加者の動きが鈍く、後場に入っては急速に伸び悩んでしまった。

 肝心の週明けのNY株式は、NYダウ、NASDAQ指数共々反落。年度下期入りの本日の東京株式は、値嵩のハイテク株が売られ日経平均が安い半面、TOPIXはドコモ、放送株の上昇で前場プラスで取引を終えた。

 最近の相場の上値を抑えていた9月の中間決算期末を控えた決算対策売りは終息に向かうものの、米国株安による外国人投資家の換金売りや銀行などの持合い解消売りも断続的に続くといった懸念があることも見送りの要因となっている。
 ただ、日経平均の下値は限定的。需給面で投信の設定や月末のドレッシング買い期待もあり、売り込める状況にないからだ。月末にかけての投信の設定は8本、パートナーズの「ファンドオブオールスターファンズ」5000億円、ニッセイの「日本ストラテジックオープン」3000億円など、当初募集金額が大きく投信買いに期待が掛かる他、年度下期入り相場で新規資金が流入する年金などの買いにも期待(昨年は期末直前の2日間で日経平均は約700円上昇)。

 尚、STC指数が日経平均、TOPIX共々10ポイントラインに急接近でありロングコールのチャンスが近づいて来ている。買い準備を…。

2000/09/25(月

【期末日経平均はドレッシング買いで16000円台維持へ】

 先週の株価の押し下げ要因は、1)原油の高騰2)ユーロ安3)インテルの業績鈍化見通しの3点。
 原油高はインフレ懸念を引き起こし、この為世界の中央銀行が利上げに動き、金利上昇が世界の経済まで大きくスローダウンさせてしまう恐れがある。
 ユーロ安は米輸出ハイテク企業の先行き業績不安を醸し出す他、欧州圏のインフレ懸念が台頭。
 インテルの業績悪化はハイテク株全般の業績先行きに不透明感をもたらしてしまう等、相場の足を大きく引っ張ってしまうのに十分となった。

 危機に直面していたところに日米欧のユーロ下落阻止の協調介入、米の戦略原油備蓄の放出と相次いで不安要因に手が打たれたことはサプライズの材料となり、日米の株式市場は一斉に反発に向かったが、本格的な株式買いは期待薄。ただ幸いにも、日本は企業業績や景気の回復傾向が鮮明になりつつある中、中間決算に伴う売りも一巡し、需給関係は好転に向かっている。
 9月末にかけ8本の投信設定がある他、年度上半期に株式や投信の評価損を抱えた金融機関の期末のドレッシング買いも期待できるので、期末の日経平均は16000円台を維持して取引を終了することになろう。株価の下落に歯止めが掛かったことは好感されるが、今しばらくレンジ内の動きと考えられることからロングコールはまだ様子見と致しましょう。

2000/09/21(木

【16013円近辺への押し念頭にコール仕込み】

 一昨日19日の日経平均は引けにかけ反発し、転換足上の重要な節である15950円を下回らずの引けとなった。仮に15950円を切っての引けとなると転換足は陰転を提示してしまい、このケースでは8/4の終値15667円、7/31のザラバ安値15394円の年初来安値が意識されるところであっただけに、陽転を維持した意義は大きいと言えよう。

 日経平均は19日が下ヒゲ、20日にかけては複合のツツミ線を形成したことで15774円が目先の底値として捉えることが出来よう。日経平均は5月以降16000円を割り込んだのが17回あるが、この内11回が大引けでは16000円の大台を回復している。特に9月相場に入ってからは3回とも16000円台を回復しており、ユーロ安、原油高騰、米国株安に対する抵抗力がついたと受け止めることができよう。

 昨日20日は、日経平均が16399円を抜き新値3本足が陽転。TOPIXに至っては25日移動平均線、13週移動平均線の他、一目均衡表の基準線や上限の雲といった節をことごとくブレークし、チャートが好転したことからセンチメントも好転。ただ、中期波動線である75日移動線(9/20現在TOPIXは1526.92ポイント)をクリアしていないことから、日経平均的にはツツミ線の起点である16013円近辺までの押し目も考えておきましょう。

 コールの仕込み場はその時と考えている。下振れリスクは引続き15900円を大引けで下回った時であり、転換足が陰転を提示した時となります。

2000/09/19(火

【ロングコールは売られ過ぎゾーン入り待ちで】

 NYダウ、NASDAQ指数の3ケタ台の大幅下落を受け、東京株式も続落。日経平均は心理的抵抗ラインである16000円をアッサリ割り込んだ。
 米国株安はユーロ安、原油高、景気減速が企業業績へ与える悪影響が懸念されてのもの。ユーロの下落により、2000年S&Pの営業利益を1%切り下げると試算されている他、原油価格の高騰からS&P500社ベースの10―12月期の増益率は従来の予想+20%が+10%程度に下方修正の見通し。前日のWTI(原油先物)10月限は一時1バーレル=37ドルを突破し、湾岸危機(90年10月41.48ドル)以来の高値を更新し、インフレ懸念が台頭。
 NASDAQ指数は、指摘しておいた3700ドル台まで下落して来たが、転換足のサポートラインである3759ポイントを下回った事から、7/28の終値である3663ポイントが意識される事になった。
 東京株式についても、日経平均が15950円の転換足の節を切った事から、8/24の終値15667円を意識せざるを得ない状況。

 9月中間期末を控え、ポジションを持ちたくない投資家が多い上、NTTの政府保有株放出に加えて最大30万株の新株発行計画方針が伝えられては、買い手が引っ込んでしまうのも道理。
 ロングコールは売られ過ぎゾーン入り(T・S波動日足VOLの20ポイント割れとかSTC指数の10ポイント割れ)の確認を待つのがベター。

2000/09/12(火

【本日期待された20ポイント割れならず、依然として短期下振れ余地】

 8/4の終値ベースでの安値15667円を下回ってしまうと、更に売り圧力が高まってしまう事に注意しておきましょう。T・S波動日足VOLは、本日終値で計測の日経平均のエネルギーラインは20.6ポイントと、20ポイント割れが間近となりましたが、残念ながら明日からは指数が上昇してしまいますので、今週は15723円以下で引けないと20ポイント割れの売られ過ぎゾーンに達しません。
 一方、TOPIXのエネルギーラインは30.3ポイントであり、こちらは今週1409ポイントまで値下がりしないと20ポイントを割り込みませんので、売られ過ぎゾーンに入るには今のところはかなりの下値を見ないと駄目という事になります。コレ値幅整理。後は日柄整理ということになりますが、T・S波動からは9月の最終週まで「調整の可能性有り」と答が出ておりますので、今回に限っては冷静に慌てず時間に余裕を見て、今まで空売りしたものの買い戻しを考えることに致しましょう。

 8/28のテレフォンにて、8/22の買いポートフォリオ銘柄に対してリスクへッジとして仕込み指示のプットについても、手仕舞いはまだと致しましょう。ただ、160プット(150円→530円に値上がり)はレバレッジ効果が無くなりましたので、150プットに乗り換えも一法。本日150プットの終値は110円です。参考まで。

2000/09/11(月

【GDP発表後に相場は大幅な下げ、売られ過ぎゾーン入り待ちで】

 寄り前に発表の4―6月期GDPは、前期比1.0%増と2期連続してのプラス。年率換算では+4.2%の成長となり、事前予想を上回った。今回の4―6月期のGDPについては「緩やかだが自律的な回復シナリオを確認した」との受け止め方が大勢を占めた。
 ただ、肝心の株式市場は景況感の回復による金利上昇や、補正予算規模の縮小などに対する懸念が先行した事と、先週週末のNASDAQ総合指数の大幅下落や持合い解消売り圧力が勝り、日経平均は一時300円を上回る大幅な下げを演じてしまっている。

 為替相場は朝方円買いに進んだが、民間設備投資が−3.3%ということから途中から円安に転じている。先週末のムーディーズによる日本国債の格下げ報道もあり、積極的な円買いには繋がっていないようだ。

 NASDAQ安は米の半導体関連株に格下げが相次いだことと、通信業界の設備投資に減速懸念が出てのものであり、日本の半導体関連、情報通信関連株が影響を受けるのも仕方がない。

 日経平均、TOPIXのT・S波動日足VOLの20ポイント割れの売られ過ぎゾーン入りを待って、ロングコールと打って出る方針。引続き日経平均の16000円の攻防戦に視点を当てる事にしましょう。

2000/09/07(木

【設備投資が2期連続の増加でGDP上振れも、コール仕込み準備へ】

 取引直前に発表の4―6月期の法人統計は、設備投資が前年同期比2.2%増、売上高が3.1%増、経常利益が40.2%増であった。特に設備投資は1―3月期が+4.8%と大きな伸びを示したことの反動で小幅なマイナスが予想されていたが、2期連続の増加となり投資意欲の拡大が確認されることになった。設備投資はGDPの基本データとなるだけに、来週11日に発表される4―6月期のGDPの上振れ期待に繋がることになります。

 さて、明日8日は株価指数先物、オプション9月限SQ算出日であるが、今週に入りロールオーバーが駆け込み的に進んでおり、9/4号で説明しておいた様に、SQ当日の相場については過度な不安は必要ないでしょう。SQ算出に絡む売買は売り越しとなろうが、週明けに発表の4―6月期のGDPが2四半期連続してのプラスが確実視されているだけに、株式相場の下値は限られる事になりましょう。

 日経平均、TOPIXが25日移動平均線を割り込んでしまい、投資家のセンチメントは悪化の一途を辿っているが、明日はSTC指数がKライン、Dライン共々10ポイント割れの売られ過ぎゾーンに達することに注目したい。

 T・S波動の日足VOLのエネルギーラインは20ポイント台が予測されるが、仮に16000円トビ台まで下落するようなら20ポイントを割り込むので、この場合は一寸した買い場を提供する事になりましょう。

 いずれにしてもコール仕込みの準備といきましょう。

2000/09/05(火

【週末に買い場提供か、STC指数の10ポイント割れでコール狙い】

 投信などが好業績株に押し目買いを入れるが、持合い解消売りや週末に株価指数先物、オプションのSQ算出を控えている事から、ポジション調整の売り圧力が強くなり日経平均は下値を切り下げ、前場151円安は16536円の安値引けと相成った。前引け段階で6日連続しての下落であり、これは5/17〜5/24にかけての6日連続安に匹敵する下げとなる。
 前日のNY株式がレーバーデーで休場だったこともあり、手掛り材料難から買い見送りの中、銀行株中心に持合い解消売りが続き、TOPIXも6日続落、25日移動平均線の水準まで値を下げて来ている。大引けで25日線を維持できるか否かがポイント。
 一方、日経平均は16686円の75日線をアッサリ割り込み、25日線(9/5現在16378円)が意識される展開に。前場計測の日経平均のSTC指数Kラインは43ポイント、TOPIXのKラインが18ポイントと売られ過ぎの10ポイント割れがまだ。日柄であと2−3日整理が必要なことから、週末8日のSQ算出日に買い場を提供するものと思われる。

 いずれにしても、STC指数の10ポイント割れから10月限のコールの買い場探しと行きましょう。

2000/09/04(月

【GDPなど重要経済統計発表待ちで日経平均の上げ限定的、様子見で】

 米の8月雇用統計は、失業率4.1%、非農業雇用統計10万5000人の減少、時間当たり賃金+0.3%(前月比)と景気減速を示す内容だった。
 今晩のNY株式はレーバーデーで休場であるが、レーバーデー明け後のNY株式の堅調な動きを予想する向きが多い。ただ、米国は今週目立った経済統計の発表が無く、動きが鈍いようだと各指標が高値圏に位置しているだけに、利益確定売りに押される可能性がある。

 週明けの日本株式は、足下の業績、景気の回復が下支えとなり、押し目買いから反発。前場、日経平均は100円強の上げで16800円台を回復しているが、7月の法人企業統計、8日の機械受注、11日に4―6月期のGDP等の重要経済統計の発表を控えており、積極的な買いは入りにくく、日経平均の上げは限定的となろう。
 週末のSQ算出については、SQ当日の日経平均の動きが昨年9月が33円高、同12月が11円高、今年3月が88円高、そして前回6月が142円安と小動きに留まっている事から、過度な不安は必要がないと考えるが、直前の裁定買い残が3兆円台に積み上がっており、SQ直前の思惑的な動きには注意したい。

 日経平均の75日線(前場段階16690円)、TOPIXの25日線(同1493ポイント)を維持できるかどうかが目先の焦点に。オプション戦略については、SQを目前に控えているだけに難しい局面では新規投資は様子見としましょう。

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