オプション バックナンバー 2000年11月分

2000/11/30(木

【NASDAQは売られ過ぎゾーン入りで売り一巡からの出直りに期待】

 前日の米国株式は、NYダウが121ドル高と急伸したのに対し、NASDAQ指数は28ポイント安と、連日の安値更新。経済成長の減速と企業業績懸念から質への逃避で、投資資金がニューエコノミーからオールドエコノミー株へ向かっている。
 日本市場も同様。下方修正見通しからゲートウェイが下落し、取引終了後に下方修正が発表されたアルテラがアフターマーケットで急落。更には先物市場GLOBEXで取引されているナスダック先物指数が大幅安を演じていることから、今晩の米国株安が懸念され値嵩ハイテク株、情報通信関連株には個人投資家や証券会社自己売買部門からの活発な資金流入が見られ、一部にはNY株離れの声も挙がっている。

 NASDAQ指数は主力ハイテク企業の下方修正、目標株価の引き下げが相次ぎ楽観は出来ないが、T・S波動週間VOLの人気ラインが20ポイントを割り込み、エネルギーラインも23ポイントまで水準を切り下げ、20ポイント割れの売られ過ぎゾーン入りが間近となって来ており、売り一巡からの出直りに期待(T・S波動日足VOLは2642ポイントまで下げることにより20ポイントを割り込んだ)。

 スペキュレーションのロングコールは、基本的には週間VOLの20ポイント割れまで控えることとし、それまではロングストラングルのストラテジーを堅持させましょう。

2000/11/28(火

【為替は円安修正局面を想定、オプションはやや強気のストラテジーで】

 昨日11/9以来の買い越しに転じた外国人投資家は、本日も1030万株買い越した。ただ、全体の指し値注文は売りが買いを8000万株近く上回った事で、外人買いは特に材料視されていない。
 自民党は、銀行などの持合い解消売りを抑制する為の対応検討を金融庁に要請したが、福岡官房長官は「最も大事な事は経済財政運営を確りさせ景気を本格的な回復軌道に乗せることであり政府からそういう指示をすることはない。」と株価対策には否定的。

 円ドル相場のチャートが円安方向に三角保合い放れとなり、輸出ハイテク株に追い風も、1ドル=111円台乗せでT・S波動日足VOLは80ポイント台の目先警戒ゾーン入りで、一旦1ドル=109円前後への円安修正があろう。

 オプションは「相場の上昇を予測。しかし昨日400円を超える上げを演じたことから押し目を入れる可能性あり。」と判断すれば、ポジションはブルコールスプレッド(低い権利行使価格のコール買い、高い権利行使価格のコール売り)であり、損失限定、相場の上昇で利益を出すやや強気のストラテジーが基本。

2000/11/27(月

【基本的にロングストラングルは崩さずコールを多少厚めに】

 サンクスギビング(祝日)明けの先週週末のNY株は、NYダウ、NASDAQ指数共大きく値上がりした。米大統領選でフロリダ州デイド郡が手作業による再集計を中止し、同州最高裁が「再集計再開を強制しない。」との判決を下したことでブッシュ候補の当選の公算が高まり、決着に目途が着きそうなことが好感されてのもの。

 11/7の米大統領選以来政局不安が強まり、米国株が下落したことから、日本株も連動安に見舞われていただけに、米国株の反発が日本株下落に歯止めを掛けることになるのかが今週の相場のポイント。

 チャートの短期指標もサイコロジカルライン、ストキャスティクス等、底値ゾーンに到達しており、テクニカル要因からは自律反発が期待できる水準にあることに注目。先週週末の米国株式の反騰で、TOPIXのT・S波動週間VOLの20ポイント割れは難しくなったが、日経平均の人気ラインが17ポイント(エネルギーラインは21ポイント)と売られ過ぎに届いたことで、個別ではソニー、NEC、富士通等の週間VOLの20ポイント割れ銘柄の下値固め(底入れ)に特に注目することに致しましょう。

 オプションは、本来なら日経平均の20ポイント割れ(14088円以下)でロングコールを狙いたかっただけに、まだ無理はせず打診的な買いに留めておきましょう。基本的にロングストラングルを崩さずに、コールを多少厚めにということです。

2000/11/21(火

【T・S波動日足VOLは明日売られ過ぎゾーン入りの可能性強まる】

 20日の米国株式は3日続落。NASDAQ指数は151.55ポイント安の2875.64ポイントは、昨年10月以来の安値水準に落ち込んだ。米国株の大幅安は、大手証券によるハイテク企業に対する投資判断の引き下げや、業績予想の下方修正が相次いだ為。NASDAQ指数の転換足は2956ポイントを切り再陰転を提示したことで、2760ポイントのトレンドのサポートライン近辺までの下げも考えられることとなった。

 前場の東京株式は、NASDAQ指数が年初来安値を更新し、米国株の先行き不透明感を警戒した売りや、政局の先行きを不安視した売りが先行し、日経平均は3日続落。一時14306円まで下落し、年初来安値である14333円を下回る場面があった。

 14333円に対する2番底を形成するのか、14333円を大きく下回り更なる下値模索を余儀なくされてしまうのかが新たなポイントになるが、T・S波動日足VOLは、明日22日に人気ライン、エネルギーライン共々20ポイント割れの売られ過ぎゾーンに達する可能性が強まったことに注目。

 国内政局は、不信任案に賛成方針の加藤元幹事長と山崎元政調会長が本会議を欠席したことで不信任案が否決され、自民分裂が回避された。ただ、否決で構造改革への期待が後退することとなり、株式市場はポジティブに捉えることはなかった。

 オプションはT・S波動日足VOLが20ポイント割れなら、プットの利食い方針(本稿は本日前場で作成)。

2000/11/20(月

【14333円の抵抗ラインを守れないと30年移動平均線を意識】

 日米共政局の混迷が継続し、株式市場も手控えムードが続くことが予想される。米大統領選はフロリダ州が再集計を認めることを明らかにしたことから、ブッシュ大統領当選との見方が広がったが、ゴア陣営が連邦最高裁に控訴するとの観測が強まり、米株式は再び波乱の様相を濃くしている。

 国内の政局は、野党4党が今夜にも提出する内閣不信任案の行方が注目されるが、否決(森内閣継続)否決(新政権誕生)のいずれでも政策の方向性をはっきり打ち出せないと、株式市場の低迷にクサビが打たれることは難しい。政局の混乱が政策発動の契機となるのかどうかに注目。

 日経平均は、10/31のザラバ安値14333円が一つの抵抗線として考えられるが、このラインを守れないようだと30年移動平均線(98年10月は30年線に接近後底入れ)の水準である、13748円が大きな節目として意識されることになりましょう。

 不信任案決議後、早期に混乱に収拾が着くのか否かいずれにしても結果を見て、そして相場の流れに変化が出たのを確認してから、次の手を打っても遅くないと判断。それまでは、オプションはロングストラングルのストラテジーを継続させることに致しましょう。

2000/11/16(木

【STC指数の10ポイント割れまではロングストラングル継続】

 15日の米FOMCでは金利据え置き、インフレ警戒型の政策スタンスが継続されることとなった。「労働需給の逼迫」と「エネルギー価格の上昇」が、インフレプレッシャーとして捉えられている。当面は失業率の上昇を見守る必要があることから、次回は12/19のFOMCでもバイアスの変更は難しそう。
 一部では政策スタンスが「中立」に変更されるとの期待があったが、「経済のリスクは引続きインフレ圧力が高まりかねない方向に傾いている」との認識が示され、追加利上げの可能性を残したことでFOMCの決定には失望感が出ている。原油高、ユーロ安が企業業績の鈍化に繋がり、潜在成長率も実質成長率を下回っているにも関わらず、当分バイアスの変更が期待出来ないとなると米株式の立ち直りは困難。

 NASDAQ指数は、上値を3533ポイントのレジスタンスラインに制圧されるものと考えたい。国内の政局混迷も不安材料。森首相の早期退陣を求めている加藤元自民党幹事長は、総裁選の前倒しについて不安定な考えを示した上で、「本会議決戦しかないだろう」と不信任案の採決で決着をつける方針を強調し、政局は更に混迷の度を深めて来たことに注意が必要でしょう。

 引続き、年初来のザラバ安値14333円の攻防戦に視点を当てておきたい。オプション戦略はSTC指数の10ポイント割れまではロングストラングルを継続させましょう。

2000/11/14(火

【目先日経平均の14333円を維持できるかに注目】

 米大統領選の決着が17日以降にずれ込んだことから、今週一杯は日米の株価とも戻りは限定されたものになりましょう。むしろNASDAQ指数が3000ポイント大台を割り込み、1年ぶりに安値を更新したことに注意が必要ではないか。
 本日の東京株式は、NASDAQ指数の3000ポイント台割れにも比較的冷静であるが、1)債券先物の下落で裁定を解消する買い戻しが入った、2)GLOBEXでNASDAQ先物指数に下げ止まり感が出た、3)14500円以下では割安感から押し目買いが入り売り込み難い、等が背景。

 しかしNASDAQの底割れ懸念から、日経平均が7月31日のザラ場安値14333円を維持できるかがポイントに。引続き155Cと135Pのロングストラングル狙い。

2000/11/13(月

【目先14500円と14333円の攻防に注目、ロングストラングル狙いで】

 日米双方共政局の混迷が嫌気されては、買い見送りも仕方がない。米大統領選の結果判明の遅れは、今後の政策運営に悪影響を及ぼしてしまう懸念が台頭し、買い手控えが続く恐れあり。
 加藤元自民党幹事長の森首相への退陣要求は、政局の不安定化に繋がり、2000年度補正予算案や2001年度当初予算編成など、重要法案の早期処理が難しくなってしまう。

 一部の機関投資家は「投資戦略が立てられない」として、来期以降の収益鈍化が高まりつつあるハイテク・情報通信関連株を、資産運用から外す動きを強めている。
 NTTが90万円まで下げ94.9万円の公募・売り出し価格を大きく下回り年初来安値を更新したり、9月中間期の連結純利益が前年同期比約9.3倍と発表の東京エレクトロンが580円安の8460円まで下落するなど、相場全体の地合は極めて悪い。

 先週9日の当欄では、フィボナッチの61.8%理論を当てはめ、押し目は14817円と指摘しておいたが、内閣不信任案可決の可能性が高まったことから、昨日12日のテレフォンでは「14817円で踏みとどまることは困難であり、14500円の攻防戦に焦点を当てるように」と訂正させて頂いた。

 目先は日経平均の14500円と10/31のザラバ安値14333円の攻防に注目することに致しましょう。
 オプションは90―95円で仕込みの145Pが、405円まで急伸。160Cの80円買いは30円に値下りであるが、TOTALは大幅なプラス。元本以上確保の為、プットに多少なりとも利を入れておくことを奨めておきましょう。新しくは155C(95円)、135P(85円)のロングストラングルがお奨め。

2000/11/09(木

【目先の下値目途14817円、14800円近辺でコール買増し方針】

 最大の注目材料である米大統領選2転3転、最終結果の判明は来週16日以降にズレ込んだ。大統領選に決着がつかない内は不透明感が漂い、日米の株式共々当分の間腰の入った買いは控えられることになろう。

 米大統領選の結果は気に掛かる材料、それに外国人投資家の動向の見極めも大事。今朝の主要14社の外資系証券の売買注文は、売り2680万株に対し買いが2990万株と、310万株の買い越しとなったが、寄り後の注文は売りが目立ち、場味を悪化させている。

 さて、当欄では「14500円以下は底値圏」「15209円〜15337円への戻りを試す」といった予測を立て、6日のテレフォン(0990―521―961)では155コールに利を入れ15500円台でのドテンプット買い(期先12月限の160コールは持続)を奨めておきましたが、ストラングルの両建てのポジションとなり、まずは一安心。

 フィボナッチの61.8%理論から押し目は14817円と計測されることから、14800円近辺で押し目でコールの買い増しを図る方針。

2000/11/07(火

【中勢17210円を目指す動きを期待、但し目先は一旦押し目形成】

 昨日の日経平均は上げ幅533円を記録し、1月11日の657円高に次ぐ今年2番目の大幅な上げとなった。7日ぶりに15000円の大台を回復した他、一目均衡表の基準線15263円や25日移動平均線15278円を一気に突破し、テクニカル上の上値抵抗線を抜いた。

 SGXの225先物に、JPモルガンが仕掛的な数千株の大量の買いを入れたことがきっかけとなり、先物高から裁定買いやら買い戻しやら果たまたへッジ買いまで巻き込んだことが日経平均、TOPIXの大きな上げに繋がった。

 他、新値3本足と転換足が陽転を提示し、中期的なチャート指標が好転を示したことから、相場の基調転換即ち今までの引き潮から上げ潮に転じたと受け止められることにチャート分析からは中勢的に8/29の17210円を目指す動きと捉えることができる。

 相場の流れを掴むには、1)トレンド分析、2)パターン分析に要約され、反転のパターンの確認の後はトレンドの好転を確認する必要があるが、こちらは転換足の次の節目15542円抜けが必要条件となります。

 ただ、目先はNYダウが11091ドルの大きな節目に接近であることと、前日のT・S波動日足VOLが80ポイント台の警戒ゾーンに達したことから、日経平均はSTC指数90ポイント台乗せから一旦押し目を入れると判断します。

2000/11/06(月

【目先25日線を上回るかどうかがポイント、大事なのはその後の押し】

 前場段階で日経平均は15100円台に乗せた。291円高である。先週末のNASDAQ指数が2日間で100ポイント以上値上がりした事を受け、3連休明けの東京株式はハイテク株や情報通信関連株中心に買いが先行した。

 米国では今晩シスコシステムズの決算発表、明日7日には大統領選挙など株式相場の動向を左右しかねない重要日程を控えていることから、上値を追う動きは疑問視されていたが、買いが一巡した後もさほど売り物が増えなかったことで押し目買いが優勢を占め、日経平均は前場高値引けと相成った。

 当欄では10/30号にて「14500円以下は大底圏と捉えることができる。」10/31号では「日経平均のチャートはハラミの陽線を形成し、STC指数が10ポイント割れの陰の極入りを果たしリバウンドを迎える可能性は強まる。」11/2号では「15000円台乗せから15209円〜15337円の戻りを試す。」としたためておいたが、ほぼ見込み通りの動きとなっている。

 問題はこれから。25日移動平均線(11/2現在15305.20円)を上回れるのか、それとも11/2号で指摘しておいた様に25日線に上値を制圧されてしまうのかどうかであるが、目先は節抜けと共に外国人投資家の動向に注目。外資系証券は11/2、20日ぶりに買い越しに転じ、本日も買いが上回った。今後も継続して買いを入れるのかが大きなポイントであることは言うまでもないこと。詳細は大引け値を見てから。

 大事なのはその後の押しということになるが、明日のレポートにて解説予定。

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