なとり(店2922) 2000/08/11更新
2000/08/11(金) 

なとり(店2922) ☆☆☆☆

 以前ご紹介した同社が第1Q業績を発表しましたが、内容は大きなサプライズとなるものでした。
 前年の1Qに比べ12%増収で、67億円の売上に対し、経常利益は2.2倍の5.2億円と発表。売上に対し利益が大きく伸びており、原価削減と販管費抑制が功を成した結果です。

 本日の株価は1200円、ストップ高買いたいで大引けを迎え、来週からの展開が楽しみです。

2000/08/03(木) 

なとり(店2922) ☆☆☆☆

URL:http://www.natori.co.jp/
会社所在地:東京都北区王子5−5−1
事業内容:おつまみ製造販売で国内トップシェアの企業
     水産加工製品61%、畜肉加工製品14%、酪農加工製品9%、
     農産加工製品10%、惣菜加工製品6%
発行済株式数:5140千株
浮動株:26.8%
特定株:63.6%
大株主:名取小一11.3%、名取浪男11.0%、名取三郎9.4%、
    (有)名取興産6.7%、横山よし子5.4%

【業界の動き】
 同社がターゲットにしている国内マーケットは、正式な統計(括り)がないものの、規模は約8千億円市場と言われている。なかでも水産加工製品の比重が高く、全国に2500もの水産加工業社が存在している。
 水産加工では何といってもイカが有名だが、近年おつまみの中で、イカの比重が頭打ちから減少に向かい出し、代わって今までにない製品群がどんどん誕生しており、数多く製品が出ては消えと、製品サイクルはインスタントラーメン業界と同様に寿命が短くなってきているのだ。
 全国に数多い加工業者も零細企業がほとんどであり、このサイクルに勝る製品開発力を有するか、ヒット商品を出さないと淘汰される運命にあろう。また日本国内の消費の低迷に加え、最近はサルモネラ菌などによる食品汚染被害なども報告され、決して良い環境とは言えないのが現状である。

【経営戦略】
 同社は水産系、なかでもイカの比重が高く、全国使用量のうち12%を占めているものの、イカマーケットの拡大が見込めず、イカ一辺倒の戦略からそれ以外の製品に注力していく戦略に変更している。前期業績を基に、中期経営計画5ヶ年(スリーファイブプラン)を立て、イカ製品が嗜好の変化から頭打ちとなる中、惣菜製品の比率を前期の10.6%から2005年3月期に21.8%へ、農産加工製品を同9.2%から17.6%へと、開発を強化し大幅に拡販させる計画だ。
 合わせて生産のピークとなる4・7・12月では、これ以上の設備稼動率アップが不可能なため、メイホク食品・函館なとり・全珍などグループ工場に15億円、物流設備に9億円、研究開発設備に13億円など、計37億円の設備投資を2年間の間に行うとともに、2005年には売上高500億円、売上総利益195億円、営業利益33億円、経常利益32億円、当期利益17億円にするとしている。

【両津の辛口コメント】
 その地域ごとに大手と呼ばれる加工業者は存在するものの、おつまみのシェア約3割を握る同社の地位に揺るぎは無い。同社は既に41もの営業拠点に7つの配送センター、7つの生産拠点を保有全国展開している上、開発・生産・物流などに資源を投資し、おつまみの世界では不同の地位を築き上げようとしている。
 扱っているアイテム数は5千種類、常時行動ベースでは約2500種類の製品を製造をしており、包装などのリニューアルを含めれば毎月50種類もの新製品を投入しているという。

 このような新製品開発にスキない同社では、社員がアイディアを毎日出しており、小林製薬と同じような発案型企業にどんどん変化しているのである。この開発スピードに競争相手である中小加工業者が付いて来るのは、かなり厳しいものと推測する。大手企業といえば、社内でのやり取りが遅いのでは…と思いたくなりますが、同社の社内スピードは目茶苦茶早いそうです。

 開発には約30人の人員を当てており、他社と違うのは原材料ごとに「その道のプロフェッショナル」がおり、例えばこの道数十年のイカのプロがいるなど、いろいろなプロがいるようです。また製造過程でも極力内製化に努めており、包装などは同社ならではの技術を使い、他社と差別化を図っているのである。

 この業界は製品サイクルが速いと上述したが、新しい製品を出すと直ぐに真似されてしまうという。特許に対する同社の意識をヒアリングしたが、開発・製造方法なども直ぐに真似されるのが目に見えていると言い、特許取得しても、ちょっとした違いによりかわされてしまい、あえて特許申請に走らない様子。

 専らの課題は、1・2月など閑散期に設備稼動率が60数%から70%まで低下してしまうこと。これを上昇させるため、季節要因に左右されず売れる商品を、如何に開発するかがポイントになり、これが達成した暁には更なる利益率向上が見られよう。

 もう一つは、既にブランド化されている「なとりブランド」を更に広く定着させられるかということ。私は酒が好きなこともあり、おつまみを良く購入するが、それでも「なとり」がメジャーな存在だとは株式公開前は知らなかった。同社はかつて相撲のなとりで有名で、今でもそのイメージが定着している。
 2年前、CM費に金を注ぎ込んだがあまり効果がなく、同社では作戦を練っているようだが、暗中模索といった感じ。

 話は前後しますが、首都圏の百貨店などに直営店(ナトス)を展開しておりますが、これは水産以外の注力の1つです。他にも好好飲茶など惣菜に力を入れ出しておりますが、この惣菜店、現在20店で、年間2−3店しか出店しないそうです。やるからには中途半端な出店ではなく、もっと力を入れてバシッとやってもらいたいな!

 いずれにせよ、同社の地位は更に上昇し、時価総額50億円(未満)はいずれ大幅に拡大する時が来るであろう。

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