千代田インテグレ(店6915) 2000/06/20更新

2000/06/20(火)

千代田インテグレ(店6915)☆☆☆☆

【業務内容】
 家電・OA機器・自動車向け機構部品総合メーカー。部門別には音響・自動車・家電製品・OA機器・文具・玩具・通信機器・映像機器など。

【業界動向】
 同社を取巻く環境は大きく変わろうとしている。部品を単体で販売して事業継続していけるような状況は去り、セットメーカーに如何に精度良く、安く供給できるかを提案しなければならない。
 セットメーカーのエンジニアは、過剰設計しがちであると同社は言う。彼らは設計・組立はプロかもしれないが、部品の素材に関しては同社の方が一枚上手であり、求められる仕様を維持しながら、別の安い素材をモジュール化提案することでセットメーカーからの支持を得ている。
 商品サイクルも平均6ヶ月にまで短かくなり、かつ短納期(平均2週間から1ヶ月)で収めることが必須条件で、それを実現できない企業は淘汰の方向にある。電子部品商社が、口銭ビジネスからメーカー機能を持ったファブレス企業への改革も同様である。

【同社の強み】
 部品メーカーといってもセットメーカーの設計段階から加わり、設計・試作・量産における成形・プレス・加工と、工程が多岐に渡っており、部分的に外部メーカーを使うのが常である。しかし、同社ではこうした一貫の流れを全て自社で完結出来ることが特長である。また創業以来、提案営業を基本としており、業界の変化は同社にとってむしろ追い風となっているほどだ。
 同社の顧客にはキャノン・ゼロックス・ソニーといった大手優良顧客が並ぶが(この3社で売上の約3割を占める)、最近ではセットメーカーが新製品開発の際、部品メーカーを一同に招待するが、招かれる社数は減少してきており、同社のシェアは上昇基調にある。
 また同社は、一貫生産しているとはいえ内作比率が約4割強、案件ベースで外注を利用しコストコントロール、経費・設備投資の圧縮にも繋がっている。

【今・来期業績】
 同社は期中に業績を上方修正した。
 全売上の5割を占めるOA機器部門が、パソコン関連中心にHDD・光ディスク・プリンターが堅調であり、加えてDVDのマーケット拡大やデジタル家電の離陸、映像装置の伸びなどによる牽引で、計画以上の結果に終わりそうだ。
 来期も引続きPC・携帯・デジタル家電の更なる拡大、及びセットメーカーの仕入れ業者減少による同社シェアアップが徐々に現れてくると見られ、今後5年間は10%以上の売上成長で、5年後連結売上500億円を目標としている。

 株価は、昨年2250円の高値を形成した後、今年5月に公募増資100万株(1553円)を行い、調整局面である。現在の時価総額は約170億円と同社の現状及び成長性を考えると過小評価であり、今期(8月)及び来期の業績見通しが明らかになるに連れ水準訂正が起きよう。
2000/03/27(月) 

千代田インテグレ(店6915) ☆☆☆☆
 本日、同社の説明会が中間決算も発表していないのに、なぜかこのタイミングで開催された。
 内容は特にサプライズなし。しかし、社長が「為替がこのまま大きく動かなければ、連結経常26億位は…」と口を滑らせていた。経常が計画を上回っても、過去勤債務の処理次第でNETは大きく変動しますのでご注意を!

2000/03/07(火)
千代田インテグレ(店6915)  ☆☆☆☆

【エレクトロニクス向け中心の総合部品メーカー】
 取扱品目は金型部品、筐体など約3万点に及び、大手家電・OA機器メーカーのソニー、松下、キャノングループなどが上位顧客(ほぼ全てのセットメーカーと取引がある)。ライバルには中小企業が多い中、20年前より海外進出し、ノウハウ・資金力共に優位性を発揮。従業員による合理化案や生産性改善を受け、商品の低価格を実現している。その結果、国内より連結群の収益力が高く、連単倍率に現れており、しかも5期連続最高益更新中である。

【同社の強み】
 取扱品目3万点中、1年で約半分の商品が変わってしまう業界の中で特色を出している。扱う商品の寿命が短いという事は、設備の償却が間に合わなくなるということで、同社では設備を改造し、生産スピードをアップさせ短期間で償却を実施し、設備稼働率を上げている。
 これらの他、合理化など従業員による提案を基に生産性改善を施している。町の零細企業が多い中、営業力が強いのも特長であるという。同社では営業からの案件を生産部門がしっかりサポートし、顧客のニーズに応えられる営業・生産の一体体制を整えており、この総合力(品質・短納期)が同社の強みといえよう。

 為替の変動・価格低下で、セットメーカーはどんどん海外に生産拠点を移してきたが、零細部品メーカーでは資金力・ノウハウとも不足しているため、こうしたセットメーカーの動きに臨機応変に動くには無理が有り、同社を始めとした専業部品メーカーには、むしろフォローの風である。
 国内では零細企業が多く、価格競争が激しいが、同社の国内及び海外利益率を比較すると圧倒的に海外に軍配が上がり、それが連単倍率に現れている。その海外でのライバルに比べ、品質・生産性とも有利であり、同社の活躍は当分不変であろう。

 今では「系列」という言葉が外人にも通用する時代になっている。その系列に属していれば、多少の事があっても安住できる環境で、むしろそれがメリットであった。しかし、それが高コスト体質を呼び、時代に合わなくなってきて、系列がデメリットとして現れ出した。
 同社はもともと独立オーナー企業で、「系列」に甘える事なくノウハウを蓄積し、系列崩壊が徐々に進む中で、非系列のメリットを享受し、5期連続最高益更新を果たしている。

 同社の海外工場は、東南アジア中心に14拠点有しているという。しかし、セットメーカー次第であるが全世界を視野に入れている模様である。
 気になる業績だが、今8月期は4−5%の増収を確保できるニュアンスである。しかし利益は大きく伸長しそうで、有力アナリストは今期連結EPSを120円超と予想しているらしい。来期は引続きPC関連・携帯・デジタル家電が牽引役となり、同様な増収が期待できるかもしれない。
 前期102円、今期120円のEPSが期待できそうなのに、株価は去年8月の高値2250円から足許1300円台と、かなりの調整だ。
3月7日引値1260円

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