宝酒造(東2531)

2000/11/24更新

2000/11/24(金) 

宝酒造(東2531) ☆☆

  中間決算としては初の連結業績を発表しました。売上高は876億円、期初計画比2.5%減、経常利益は38億円、同13.5%増となりました。

 canチューハイ<サワー>シリーズ、バイオ事業が順調に伸びたものの、自販機撤退による清涼飲料の減収、前年実施の石原裕次郎メモリアルボックスの売上高34億円分などを補い切れず、全体でも減収となりました。

 注目のバイオセグメントは売上高で55億円、前年同期比26%増、期初計画比12%増、営業利益で10億円、期初計画比6.8倍と好調です。研究用試薬、DNAチップなどの試薬事業が前年同期比11%増と伸びたほか、理化学機器も質量分析装置、DNAチップ関連装置が増加し、同28%増となりました。

 同社では、2004.3期のバイオセグメント売上高250億円を見込んでいますが、収益を支える2本柱としているのが、革新的な等温遺伝子増幅法である「ICAN法」と今7月に三重県四日市市に設立した高速ゲノム解析センター「ドラゴン・ジェノミクス」です。
 従来の遺伝子増幅法であるPCR法は、器具を必要とするほか、遺伝子を温めたり冷やしたりという過程を必要としていましたが、ICAN法は常温でより多くの遺伝子増幅を可能としています。また、ドラゴン・ジェノミクスは、米セレーラ・ジェノミクスのように巨額な資金にものをいわせてシーケンス配列を解明しようとするのではなく、国内医薬品メーカーなどからの受託業務を主力にしようとしています。

 株価は、バイオ事業の伸びをかなり織り込んだと思われますので、それほど妙味はないものと判断します。しかし、加藤郁之進副社長をヘッドとする同社のバイオ事業の展開は楽しみです。(☆☆ 駄洒落商会会長)

あくまで投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり内容を保証したわけではありません。
投資に当たっては投資家自らの判断でお願いします。
億の近道on the Web 質問・要望事項はこちらまでメールを。


戻る