旭電化工業(東4401) 2001/03/28更新

2001/03/28(水) 

旭電化工業(東4401) ☆☆☆

 古河系の中堅化学メーカーです。昨年4月の日経平均の銘柄入れ替えで外れるなど、地味なイメージの銘柄ですが、着実に業容が変貌しつつあります。

 1917年に電解ソーダの製造を目的として設立。化学品・食品の分野で多彩な発展を遂げる一方で、日本農薬、関東電化工業など有力企業が派生しています。

 現在は、食用油脂、基礎化学品に依存する収益体質を変革すべく樹脂添加剤、電子材料、情報化学品の3分野を重点事業と位置付け強化中です。
 また、EBO(Employee Buy-Out:従業員出資の分社子会社)を国内で初めて採用、能力給を全面的に採用するなどコスト削減を徹底。アジア系企業にも劣らぬコスト競争力を主武器に市場に浸透、さらにスケールを追求することにより収益力をアップする基本戦略で重点事業を育成しています。

 なお、重点事業のうち、電子材料部門では低電圧用液晶であるTN(ねじれネマティック)液晶材料(世界シェア約50%)が好調を維持。汎用家電、文房具、玩具などを中心に継続的な拡大が見込まれています。その他、半導体製造用エッチング剤(国内シェア約30%)、エポキシ樹脂、フォトレジスト材料などの既存製品に加え、新製品では高性能光メモリー色素が収益に寄与する見通しです。

 足元2001.3期連結業績は、電子材料部門の堅調に加え、食品分野で新製品が伸長、パーム油、大豆油など原料油脂価格の低下も採算改善に寄与し、売上高1,305億円、前期比2%増、経常利益96億円、同60%増と13期ぶりに最高益更新の見込みです。
 続く来2002.3期も重点事業の伸長により、連続増収増益の見通しです。

 また、昨年11月に開発した皮膚の老化防止に効能が見込まれる有機化合物「メバロノラクトン」などバイオテクノロジー事業も有望です。

 株価はバリュエーション的に割安ですので、早晩水準訂正が進むものと予想されます。(☆☆☆)(駄洒落商会会長)

(業務連絡)
生涯遊人殿、「外資の常識」(元・モルガン銀行東京支店長 藤巻健史氏著日経BP社)を読了いたしました。


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