東芝(東6502) 2002/12/01更新

2002/11/26(火)

東芝(東6502)  売り

 
日経ビジネスさんが特集を組み、日立は解散命令を市場からたたきつけられていると書いています。
うん。確かに。
PBR1倍割れが当たり前となっただけでなく、0.5倍にもなろうかという逆「勢い」です。

 日立の加速度を伴った急落は2002年の日本の象徴。
技術はあるのに。
世界一の事業があるのに。
財務内容もまずまずなのに。
どうして株価は下がるのか。
経営者は選択と集中に邁進しているのに。

日立の永遠のライバル東芝はどう?
東芝様は、世界で有数の半導体メーカです。

 さて、世界では、300mmウエハーの投資が本格化しています。
シリコンウエハーを200mmから300mmへと、ウエハーの大口径化の動きがあります(ウエハーといっても、お菓子ではありません)。

 ウエハー面積を2.25倍(300/200の2乗)にして、処理速度を保てば、いままでの2倍以上のチップが収穫できます。
能力が一気に高まり、コストダウンが実現できます。

 しかし、問題点がありました。
生産は2倍にできますが、注文は2倍にすぐにはできません。

 世界中の設計専門会社(ファブレス)を相手にしている台湾のTSMCやUMCなどは300mm投資をしても、顧客がどんどん取れているからいい。

 また、インテルのように大きなチップを沢山さばけるメーカは300mmを導入できます。

 また、サムソンのようにDRAMでシェアを高めたメーカは、DRAM専用の300mmラインをつくる意味があります。

 しかし、東芝はそのような製品がありません。
ようやくソニーの力を借りて、プレイステイション向けのチップで量産実績を積んでいたところでござった。

 その東芝様が攻めの姿勢を貫き、2000億円の投資を敢行なされる。
座して死を待たないで、立派な決断でござった。

 そういう東芝を応援したいと思う気持ちでいっぱいでござりまする。

 さて、ここからは夢の世界です。

 さて、みなさん、シリコンウエハーのお話が出たので、頭の中で、ノートとコンパスと定規を準備してください。
まず、練習です。 半径2cmの円を書いてください。
想像できますか。
それでは半径3cmの円を書いてください。
頭の中でですよ。
想像できますか。
右脳を鍛えましょう。

 まあ、違いはわずかですよね。2.25倍の面積の差があるとは思えません。
それが直観です。

 さて、ここに単独売上3兆円の超大企業、東芝君がいます。
東芝君の単独の従業員数は4万5000人で平均給与は710万円です。
福利厚生や年金負担などを合わせると企業の負担は一人1000万円程度でしょう。

さて、東芝君が4万5000人の社員に年間1000万円支給すると年額でいくらになるでしょうか。
4500億円です。

さて、株主に登場してもらいましょう。
株主が受け取る配当はいくらでしょうか。
東芝君は配当を払わないときも多いのですが、今年は1円程度は出る可能性があります。
発行済み32億株ですから、株主に支払われるのは32億円です。

さあ、右脳の体操です。
円を書きます。
社員への東芝の貢献の円です。
半径12cmの円を書きましょう。
想像できますか?
それでは半径1cmの円を、半径12cmの円の横に、ひっそりと書きましょう。
なんとまあ、すごい大きさの違いですね。

さあ、半径12cmの円は社員の夢の楽園です。
そして、半径1cmの円は株主の取り分です。
12cmの円は社員給与4500億円、1cmの円は株主配当32億円をそれぞれ表します。
株主は32億円の配当のために、1兆円の時価総額をお許しになっている。
東芝の株主は世界一慈悲深く、世界一の太っ腹です。

さて、純利益の額と社員への給与を比べてみます。
東芝君の単独の純利益はやはり30億円程度です。
だから、純利益30億円に社員給与4500億円の対比となります。
まあ、なんという偶然の一致でございましょう!

さて、これからが本題です。
4500億÷30億は150です。
東芝君の社員が150を受け取ります。東芝君の株主は1を受け取ります。

さて、東芝君は、社員のための会社でしょうか?
それとも株主のための会社でしょうか?

わたしは、東芝の社員さんは、企業社会主義革命を成し遂げた英雄たちだと考えています。
社員の夢の楽園です。
決して、会社を辞めようなどと思わないことです。

社員にとっての地獄をみせてあげましょう。

この世の地獄、ローム(6963)という悲惨な会社があります。
この会社の社員は2400人(単)。
社員への支払い額はたったの240億円。
でも株主の手にする純利益は300億円もあります。
ロームは株主に300億円も確保し、社員には240億円しか支払いません。

東芝だったら、株主に300億円も払うのなら、その150倍の4兆円は社員に支払えと激怒するでしょう。
地獄のロームの社員は天国の東芝に転職すべきでしょう。
そして、東芝の株主はロームの株主になるべきでしょう。

もちろん、夢から覚めるべきなのは東芝です。
資本主義のすさまじい競争原理。
ビジネスは生きるか死ぬか。
おこちゃまたちは、血の飛び交う戦場で出てこないで、おとなしく、じっとしている方がいい。

むろん、おこちゃま日立ちゃんや、おこちゃまNECちゃんや、おこちゃま富士通ちゃんも、軍事訓練を受けていないのですから、保育室で待機していた方がよろしいのでござる。
(大原)

 

2002/10/29(火)

東芝(東6502)

 
 東芝やNECが日本の現状と重なって見える。

国際的な競争にさらされてる。
残念なことに固定費が高い。
過去の設備投資の効率が悪かった。
タイミングの悪い設備投資で設備価格が高いときに投資をした。
財政問題が深刻化。

もはや、新規投資が困難と思えるほど財政が悪化。自己資本比率は10%そこそこであり、大きな借金が残った。

 製造装置を共同開発し、その開発に対して装置メーカに敬意を表して、日本勢は高く装置を買ってあげる。
 だが、外国勢は買い叩き、ハゲタカのような投資しかしない。

 NECや東芝は4−5兆円という資産を有効に活用できないでいる。
 これだけの資産を使って年間純利益100−300億円。日産の20分の1以下である。
 残念なことだが、共同開発や下請けの顔を立ててきたし、研究開発も多額のものを継続してきた。
 コストが高くても日本に留まってきたし、高い物流コストを払ってやってきた。
 生産効率を考えれば、どこか一箇所に拠点をつくるべきだったが、そういう利益優先の思想に染まらず、地方に工場を分散させてきた。
 地方経済に長年貢献し、地域社会になくてはならない存在になっている。
 その結果が20数年ぶりの安値である。悲しいですな。

 これから財務内容を改善しなければならないが、それを強行すると大きく株価は下落する。(希薄化)
 収益力を高めなければならないが、それをするためには、割増退職などのお金がかかる追加のリストラが不可欠。
 だが、もはやよい条件で退職をお願いするという手法は使えない。カネがないのである。
 追加のリストラを行なうためには、追加の借入れやエクイティファイナンスが必要になってくる。そうなると希薄化リスクで株価は下がる。

 たとえ、リストラをして、財務内容を強制的に改善させても、そのステージは国際競争の一回戦に進めるというだけ。スタートラインにつけるだけ。いまは国際競争優位性が感じられない。
 また、さらに、週休5日制を改め、土曜日出勤を復活しても、ライバルは土曜日出勤しているために、この段階でも国際優位性が確立できない。(土曜日も働いてアジア人は働きすぎだと思うが、われわれ優しい日本人はアジア人を非難しない。欧米人は黄色人種を差別してエコノミックアニマルなどと批判したりする。欧米人の中にはとんでもない奴がいるものだ)

 さて、根本的に税率が高い国の企業と税がない国の企業との戦いなので、抜本的な税率の引き下げがないと同じ土俵にたてない。
 ところが日本政府は紳士なので、「おい、こら! 手前ら、いい加減にしろよ!無税?? ふざけんじゃない! 税率を40%以上にしろ」といって外国に圧力をかけない。
 日本政府はすばらしい。どんなに自国企業が海外に進出して税収ががたがたになっても、アジア各国に多額の予算を分け与え、国際連合に多額の予算を拠出している。日本は紳士の国だ。

 NECも東芝も多額の研究開発費をかけて、世界に例をみない高水準の携帯や半導体を開発して、それをインテルが真似をしたり、ノキアが真似をしたりしている。
 多額の研究費があだになり、自分たちは、収益を上げられないが、真似をした海外勢が成果をただ乗りしている。
 日本勢は特許を無断で使われても相手を訴えないが、外国勢は特許を侵害していなくても日本勢を特許で訴える。
 外国勢は下品極まりないが、わが国の企業はおとなしく上品で、奥ゆかしいのである。

 東芝やNECの問題とは、国の問題と同一のもののようである。
 東芝やNECの株価が大きく評価を受けるような政策が出てくる可能性もある。
 大幅な減税。九州などの半導体工場への無税化。地方自治体の主力工場への大幅な援助拡大。
 本社費用の控除枠の拡大(研究開発費の控除)。なんとかして株価があがってほしいものだ。でも、わたしは買えない。外国人投資家に雇われているから。PERでもPBRでもまだまだ高い。世の中は厳しい。(大原)

 

2001/03/27(火)

東芝(東6502) ☆☆☆

 【事業紹介 東芝の低温ポリシリコンTFT液晶基板】

歩留まりは90%を超えている。アモルファスにはない3つのプロセスのそれぞれの改善が効いた。
1)ポリ化するさいのレーザアニール処理。ビーム幅も徐々に大きくなった。
2)ゲート絶縁膜処理。SiN、SiOなど。スパッタとエッチングだが、ガラス基板サイズを徐々に大きくしていった。大きくなると装置側の負担が大きくなる。均一性がとれなくなるからだ。
3)n型、p型作成のためのイオンドーピング処理。これもガラス基板が大きくなるとばらつきが問題となる。

この3つの最大課題を解決できたことが今期の利益貢献につながった。数年前は10%以下の歩留まりだった。単純に、それぞれ50%の歩留まりだったとすると0.5の三乗(3つのプロセスの積)で12%だから、各プロセスの歩留まりは推定で40−50%だったのだろう。それが、2−3年でそれぞれ95%を超えるレベルに引きあがったことになる。

 今後の課題は、マスク数。5枚であるが、さらに削減したい、としている。そして、トランジスタ特性の改善。画素のスイッチのトランジスタというより、周辺回路(ドライバ、デジタルアナログコンバータ)のトランジスタ特性の向上が課題。

 長期的な課題は、単結晶に近い電子の移動度を出すこと。その面では、シャープのCGSは画期的な取り組み。

(表:電子移動スピード:基準アモルファスシリコンを1とする)
 
スピード
アモルファスシリコン
低温ポリシリコン
100
CGS
300
単結晶シリコン
700


 IP(知的財産権)戦略を構築中。ロイヤリティ収入を狙う。松下とのシンガポールにおける低温ポリシリコン基板工場量産は2002年7月。

 さて、有機ELについては、高分子タイプを発表したが、低分子もやる準備はあるとのこと。ただし、結構難しいので、よい材料の開発待ちのスタンス。

 

【用語】
*TFT:
薄膜トランジスタ。トランジスタのプロセスはアニール処理を伴うため、300度以上が必要。そのため、プラスティック基板ではなく、ガラスが使用されている。TFTが不要なSTNなら200度以下で加工できる。低温ポリシリコンTFT基板では、画素のスイッチングだけでなく、従来のドライバーIC部分を基板上に作成できるため、集積度や製品デザイン性が格段に向上する。アモルファス基板では、ドライバーICやデジタルアナログコンバータなどで求めらる電子の要求スピードが出せない。

*低温プロセス:
アモルファス状態のガラスをポリシリコン化すると電子の移動スピードは向上する。しかし、そのため、通常の高温プロセスとなってしまっては、ガラスが溶解してしまう。ガラスが解けない程度「低温」にプロセスを押さえる必要がある。軟化温度ギリギリが500度。

*高温ポリTFT:
石英基板。石英ガラスは1000度でも解けない(1600度から軟化)。0.7インチクラスも視野にはいっている。取れ数が多くなればなるほど、コストダウンが効く。エプソンとソニーが2強。プロジェクタなど最終市場は増えている。TIのDMDには画質では負けるが、価格では勝つ。現在、1から2インチの高温ポリシリコンは実用化されている。

*TFT基板用ガラス:
アルカリナトリウムソーダが入っているような窓ガラスとは全然違うもの。ただし、石英ガラスのような高価なもでもない。石英は1000度の高温にも耐えられる。

*東芝:
挑戦が大好きな集団。すこし、投資が大きすぎるが、「エイ!ヤ!」の気分でがんばっている。投資家泣かせ。(大原)

 

2001/03/02(金)

東芝(東6502) ☆☆☆

 【東芝の有機EL】

1)有機ELフルカラーの試作を数ヶ月以内に発表する予定
2)TFT構成。基本的には、TFTの特性ばらつきを抑えるために、1画素4個のTFTを使用(ソニーと同様)
3)画素の細かさが問題。東芝は画素内SRAM搭載する技術を活かし画素中に7個のTFTとなる可能性も
4)精細度。4TFTレベルであれば、200ppiまではカバーできる
5)高分子の寿命。目標として、1万時間程度の達成は、’03/3Q目処
6)特許、権利関係。高分子方式を選択しているので、材料特許は、CDT社特許が問題。有機ELとpoly−Siの組み合わせは半導体エネルギー研究所から権利化。ただし、現在までに特許交渉はなし。事業化に際しては必要なワーク
7)インクジェットで塗布

【低温ポリTFT】
1)海外生産。アジアで工場建設
2)松下と組んだ。東芝2/3、松下1/3の出資
3)松下はLCD TV対策、東芝は投資負担減
4)立ち上げの不安はない
5)ただし、強敵台湾も低ポリLCDを開始する。液晶は低ポリ時代に入った。

 【課題】
1)小型化を目指す以上、2TFT構成が望ましい
2)寿命はまだまだ
3)特許、権利関係は、エネ研との交渉になろう。ところで三洋はどうするつもりなのだろうか?
4)総合的な印象は「遅れている」。高分子EL事業化はまだ見えない。試作待ち(大原)

 

 

2001/02/09(金)

東芝(東6502) ☆☆☆

 【有機EL製品化へ動く】

 本日(2月9日)、東芝はフルカラー有機ELの試作品を出来るだけ早く発表したいと表明した。東芝によるフルカラー試作品が数ヶ月以内で出てくる可能性がある。すでに、緑色(単色)の有機ELディスプレイ(2.85インチ、2万5000画素)で試作品は完成したという。

 昨日のソニーの発表といい、ここに来て、わが億近がそうなると主張してきた通り、毎日のように有機ELの発表ラッシュである。

 2001年度中には、技術的な課題をクリアしたいという(量産できる目処をつけたいということ)。商業ベースの話はこれからのようだ。
 ターゲットは小型ディスプレイ。今回の注目点は、高分子であるという点である。
 高分子は、低分子以上にチャレンジングである。東芝は、いつでもチャレンジングなことをやりたがる会社である。

 インプリケーションは、インクジェット方式の進展の確認する必要があろう。有機材料の積層がインクジェト塗布で可能であるということは、既存の半導体やプリント基板プロセスにかなりの影響を与えよう。工程の大部分をインクジェットで行なうことが可能になろう。
 先行する低分子陣営、パイオニア、三洋、ソニーにくらべて、高分子陣営は、現状では遅れているとされている。3ヶ月後目処に試作品発表という段取りなので、そのとき、課題も明らかになろう。

 いずれにしても、有機ELの開発競争に拍車がかかっていることは事実だ。量産前の前評判で勝ち組を論ずることは出来ないだろう。したがって、理想買いの相場展開が当面続くだろう。

 これで、低温ポリシリコン有力メーカ3社(東芝、三洋、ソニー)すべてが、有機ELの製品化を表明したことになる。
 今後も、日立、シャープの出方が注目される。高分子か低分子か。2002年まで、議論はつきないだろう。(大原)

 

あくまで投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり内容を保証したわけではありません。
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