三菱電機(東6503) | 2002/02/05更新 |
2002/02/05(火) | |||
三菱電機(東6503)
☆☆☆ 【成熟市場と成長市場】 ●FA、工作機械向けシーケンサーやNCなど、ほとんどがシェア3位以内で最悪期の今期も産業メカ関係の利益率はまずまず ●世界で2番手グループのエレベーターは稼ぎ頭この2つだけでも現状の株価程度は支えることができる。しかし、 ●欧州に打って出た携帯がぼろぼろで収集の目処が立たないし、いつ黒字になるのかも誰もわからない ●半導体は大きな赤字。どうしたらよいのかわからない逆説的で面白いと思う点、みなさんの勉強になると思う点です。 ●成長分野だと思って継続的に人員投入や設備投資をしてきた分野(携帯&半導体)が見込みが立たない ●成熟分野と思っていたエレベーター事業やFA事業は今直世界的な競争力を維持しているが、残念ながらM/Aなどを活用する発想がないので成長が難しい どうしてでしょうか。 誰の目で見ても、成長しそうな市場は競合が極めて厳しい。その中で、しっかりとトップポジションを維持するためには、経営力や技術力だけではだめであって、資金力や政治力(提携やライバルの追い落とし)が必要である。そこまで日本企業は「えぐく」ない。人はよく、経営者は優しい。言い方を変えれば甘すぎる。 誰の目にみても、成熟市場であっても、技術革新などの新しい視点があれば、収益的に大きく改善できる可能性を残している。たとえば、現状の利益率が1%であったとしても、それが3%に改善するとしよう。それは成長市場で売上を3倍にすることと同等の価値があるだろう。しかも、成長市場で利益率を向上させることが困難なことを考えると、なおさら、成熟市場への取り組みこそが経営の腕の見せ所ということになろう。 エレベーターの要素技術を見ただけでも、数10mの距離を制御し、1cmのずれも許さない静かな大型モーターや制御システム。いろいろな人間の行動パターンを制御するのは論理回路であるが、シーケンサーなどは磨けば、新しい展開(たとえばアセンブリーロボット)も見えてくるだろう。 日本が世界に誇れる金型など、こだわりの部材が生きる分野で勝負できる。NCは今後、プログラムのアセットなどの資産価値を上手に運用していける人材が必要だが、日本企業がもっとも強いところだ。 ライバルは立地条件が同等の日本勢だ。どうしてダントツの世界一に一番近いところを差し置いて、世界的な競争力を失った半導体に固執するように見えるのだろうか。 エレクトロニクスのアナリストに三菱電機に有利な評価はできないだろう。機械株のアナリストがカバーすれば、経営陣や市場の見方も変わるだろう。 携帯や半導体への思い込みはどこから生まれたのか、人間学として興味深い。(大原)
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2000/02/04(金) メルマガ「億の近道」同時掲載分 | |||
三菱電機(東6503)
☆ 長崎県のYさんという女性より、前々から三菱電機を保有しているので…というメールを頂戴しながら、掲載しなかったことお詫び申し上げます。しかし、炎のファンドマネージャー氏と私は、ボトムアップリサーチが得意といっても、グロース(成長株)の方で、大型株は範疇ではないのです、ごめんなさい。
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