日本無線(東6751) 2001/10/31更新

2001/10/30(火) 

日本無線(東6751) ☆☆☆

 リストラに着手。これまでの自然減に任せていた人員削減計画を改めて数百人の早期退職を実施。固定費を前倒しで削減していく。

 携帯第3世代の基地局アンプは基地局あたりのアンプ数が2倍程度になることと、技術的に高度になることから、採算は十分にとれるだろう。

 特に無駄のない設計力によってLSI数が削減されている模様。

 一方で海上無線などの不採算部門については、競合他社とのアライアンスに動く可能性が高い。来期あたりからFOMAサービスが収益へ寄与するため、来期を見据えれば下値不安はない会社のひとつと言えそうだ。

 最低6ヶ月の保有をお薦め。(大原)


2001/02/01(木) 

日本無線(東6751) ☆☆☆

 【業績と株価の見通し】

1)来期に向けた受注が確認できた。来期営業利益は、200億円を予想。
2)WB−CDMA基地局向けアンプの量産にようやく目処をつけた。
3)経営陣も、事業の選択と集中に着手。基地局アンプ事業をグローバル展開する覚悟を決めた。
4)基地局アンプは、従来3セクター。これが、WB−CDMAでは、6セクターとなる。つまり、需要が倍増する。
5)加えて、設置場所の都合上、従来アンプを小型化する必要があり、従来アンプのリプレース特需が発生。
6)つまりアンプ需要は、3倍になる。
7)それだけにとどまらない。手薄だった海外市場の開拓が単純に上乗せされる。対象市場は、数倍規模になる。
8)株価は安い。来期EPS60円。株価は、半年で1200円は堅いだろう。
9)アンプ事業が軌道のれば、中期的EPSは100円前後。数年内の目標株価は、2000円程度。(大原)


2000/10/02(月) 

日本無線(東6751) ☆☆☆

 渋い会社です。アナログ設計力で有数。
 基地局などの無線インフラ向けパワーアンプに強み。来期下期から業績は急浮上するはずです。今後12ヶ月間、株価は堅調に推移しそうです。

 強みは、アナログ技術者の熟練度。NECや富士通だと、35歳でマネージャになってしまうが、日本無線では、定年まで現場のエンジニアという方が多い。職人が多い。
 短期間で大勢の人数をつぎ込んで勝負する分野(LSI、ソフトフエア)では、NECや富士通が強いのでしょうが、一人のエンジニアが黙々と長い年月をかけて一つのテーマを手がける無線インフラのアンプ周辺分野では、日本無線は強い。

 基地局のアンプには2つあります。受信用アンプと、送信用アンプです。もちろん、送信用のほうが、付加価値が高い。でも、受信用アンプも、防水などのノウハウがあるようです。
 WBCDMA向け基地局では、これまで以上にアンプの性能が非常に重要になります。不要な電波を出さない精度の高いアンプが求められます。コストは、設計が決め手になる。

 ドコモで1万局、Jフォンで5千局、KDDIで5千局程度の基地局が日本にありますが、TDMA基地局においては、6つのアンテナがあり(3セクタ)、6つの受信用アンプ、3つの送信用アンプが必要です。CDMAでは、セクタが6つに増える上に、送信用アンプは倍の数になる予定です。ですから、送信用アンプは基地局単位で4倍の数量になる。設備投資がかかるわけです。
 しかも、設置場所がない。そうなると既存の基地局のスペースを利用することになります。つまり、既存のアンプを半分程度まで小さくするれば、そこに空きスペースができる。だから、既存基地局のアンプまで置き換え需要が発生します(そんないい市場になってしまうので競争も厳しい)。

 無線のインフラは、中継系にも使われますし、WLLなどの市場も出現しています。海外は最初から無線インフラという地域も多く、中国大陸などへの展開を考えるとわくわくします。

 これまで、新日本無線とのシナジーがなかった点も改善されそうです。新日本無線は音響向けアンプからGaAsのアンテナスイッチやSAWフィルタなど通信へ軸足を移しつつあります。仮に、新日本無線から日本無線へ基地局関連の部品供給が可能であれば、最善のシナリオになります。新日本としても、端末向けの大量生産品を狙うより、インフラ系のハイエンド少量製品の方が、確実な利益をもたらすはずです。それにしても、なんでそういう発想が出てこないのかなあ。

 11月に中期計画が発表されるようです。経営はいまいち(というかアピール度はゼロでしょう)ですね。リストラも自然減の域を出ません。取材に行くと、眠たくなったりすることが何度もありました。でも、いいものもっていると思いますよ。ぼくは好きだなあ。株価は安いと思います。(大原)

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