パイオニア(東6773) 2002/02/06更新

2002/02/05(火)

パイオニア(東6773) ☆☆☆


 厳しいようだが、野球に例えると、ホームランねらいの7番バッターのような会社だ。
 ほしいのは確実性。確実性がある打者は、例え7番であっても、勝利に貢献できるし計算が立つ。ホームランならクリーンアップが打てるし、代打もいる。この会社はレギュラーの力はあるが、自分の力をたまに過信してしまい、大振りをしてしまう。一発狙いをしてしまう。

 技術的には好き嫌い、得て不得手がはっきりしているので、打率は低くなる。好きな球はベルト付近の速球。それでも一発の魅力があるので、観客(投資家)は期待をしてしまう。一発のホームラン(PDPの十万台の成功)があれば、それだけで満塁ホームラン。株価は急騰する。

 ところが、待っていても待っていても、真中高めの速球が来ない。勝利をかけた大事な場面で相手投手が考えることは、「ホームランさえ打たれなければこっちの勝ちだ」。
 相手の戦略は、ボール球投げる。振らせる。ワンバウンドするようなフォークボールを投げることだ。

 この会社は斬新なデザインや、アイデアをニッチな市場で狙うと成功する。カーナビやLDなどはそうだった。そう、右打ちに徹して確実性を求めれば、2割8分が狙える打者だろう。

 しかし、貧弱な肉体はあきらかに非力(財務内容&特許の量)。みんなが大票田として狙っているフラットパネルは、もっとも熾烈な市場だ。なぜならば、パイオニアが勝つことによって、負ける企業が出てくるからだ。いわば、既得権を守る抵抗勢力だ。抵抗勢力はしたたかで、決してあきらめない。既得権を失うことは死を意味するからだ。

 パイオニアが勝てば、ソニーや松下がディスプレイで新参者に負けることになる。ソニーや松下にとっては許されないことだろう。それが、真中高めの速球がいつもこない主な理由である。

 パイオニアが、選択と集中をしていても、それぞれの分野で圧倒的な競争力が発揮できないとしたら、それは何を意味しているのだろうか。まだ、荷が重いということではないか。

 あと一つだけでいいので、何かを捨てる勇気がなければ、レギュラー降格もありうる。それは「大振り」をやめることだ。こつこつとヒットを狙う。それが求められているのだろう。

【パイオニアのPDP戦略は正しいのか?】

 50インチで他社を先行していた数年前、営業利益をすでにPDPで上げていた。現状で、パイオニアが苦労しているのは、43インチの新しい製造ラインである。

 どうしてハイエンドの顧客ニーズを吸い上げないで、ボリュームゾーンに挑むのか?50インチの超高級路線はありえないのか。フローリングなどリッチな顧客のリビングルームに一番フィットするようなカスタム的なデザインを数種類そろえるなど、ブランドイメージを大切にする戦略もあったはずではないのか。

 もちろん、技術的な問題があるにも関わらずに量産をしなければならないのは、大変なことである。50インチ以上の超高級路線で差別化を打ち出すことは、難しかったのか?

【当面のポイント】

 来期PER20倍台前半は決して高くないだろう。43インチ PDPの歩留まりが最大の関心事であろう。歩留まり向上のニュースが舞い込めば株価は底打つかもしれないが、歩留まりが向上しない前にPDPの値下げ競争が激しくなれば、かなりの不安を来期以降も残すことになる。(大原)

 

2001/02/26(月)

パイオニア(東6773) ☆☆


2001年3月期連結業績計画
売上高    6500億円 前年比5.5%増
営業利益    310億円 前年比31%増
NET     180億円 前年比38%増

第3Qまでの累計営業利益額
エレクトロニクス事業  104億円(前期35億円)
映像・音楽ソフト事業  −12億円(前期−17億円)
特許関連事業      124億円(前期125億円)

【エレクトロニクス事業】
・3Qまでの累計営業利益は前年比3倍増と大幅増益。PDPの牽引とDVD−ROMの効果が大きい
・前期のPDP販売は2万台、今期は年間5万台のキャパシティに対して4万台弱の販売に着地しそう。来期は昨年度20万台の世界需要が今年は36万台に拡大すると見てシェア20%の8万台を目論む
・PDPは営業利益率が高く、今年は新工場を立上げ強力な新しい2モデルを発表する。PDPでXGAを量産しているのは同社のみで唯一の黒字を計上
・XGAが可能な理由はリブの構成が他社と大きく違うため(=同社曰く:億近ではディスプレイとしてPDPを評価していないため技術のことは調べておりません)。他社はストレイトリブを採用、同社はワッフルリブ。素子間の光の漏れを防げ精細な画質が得られる。
・今年度は改良を施したパネルをマーケットに投入する。現状の50インチパネルが部品点数1万点で120−130万円の販売価格と高いものの、100万円前後のより高画質・低消費電力を実現したパネル。コスト削減の背景は、部品点数を6500点に引き下げたこと及び、駆動回路のコストが下がったこと。新型の消費電力は低く、高価なICに一部液晶用の安価なものが使える。
・2005年に業界では250万台という予想数字が出ているが、民生比率の上昇もあり、400万台近くになるかも。
・DVDプレーヤーは価格競争に陥った。マーケットはレコーディングに向かっている。同社のレコーダーは25万円と高い。今期3.5万台の販売を計画。100人の研究員を抱え固定費が重く、出荷数量も少なく赤字。CD−RがPCで成功した唯一のメディアとなったが、これは記録したディスクが他のPCで読める他、ディスクが究極の値段まで下がった事による。DVDではRの他、RAM、RW、RW(ダッシュ)と規格があるが、そのなかでもCD−Rのように成功の可能性が高いのは同社が提唱しているRW(ダッシュ)だという。DVD−RWはAV用途という見方があったが、先般のフォーラムでPCにも使える事を提唱し、認めさせている。来期は価格を下げPCに載せ、100万台以上の出荷を目指す。

【特許関連事業】
・同社の最大の収益源。米国の特許保有企業DVAを約200億円で買収、後で想定以上の収益を上げる結果となった。
・今期の収益は140億円程度、来期は130−140億円程度になりそうでDVAは非常に安い買い物となった。
・ただDVAが持つ特許は期限が切れ出し、2003年3月期には一転減益となる。しかし他の特許を活用し、2003年3月期に100億円の収益を目標とする。DVAの減少分を有機EL、プラズマディスプレイ、DVDレコーダーなどで補う。

【リスク】
 30インチ台のPDPパネルは収益性が難しく手掛けない。製造工程は進化中でコスト削減の余地がある。1インチ1万円のパネルは他社は2003年、同社もいずれやる(以上、会社側コメント)。
 1994年ないし1995年にPDPに興味があり、まず始めに富士通ゼネラルを訪問したが、当時も長野オリンピックまでに何とかなるであろうと言っていた。長野オリンピックはいつ開催するの??? もうとっくに終わったのでは!!!
 いつの時点でも、PDP業界はあと2年もすればと言い続けてきたような気がする。何年も騙されてきた私は、PDPに嫌気が差している。1インチ1万円は兎も角として、同社の安いパネルを手掛けない戦略は果たして正しいのか?来期8万台販売の計画性は?

 DVD−RW(ダッシュ)を25万円から10万円台で販売しても、数量は劇的に伸びるのかな?(良くわからない)

 DVAの特許切れ(順次)で、2003年3月期は100億円程度の利益をキープできるの?

 東北パイオニアと半導体エネルギー研究所(SEL)のジョイントは間違いなくプラスと考える。SELは特許で飯を食っているプロフェッショナル集団で、大メーカーでも怖い存在。このSELの根性がパイオニアにも植え付けられれば凄い事になるかもしれないが…。

【投資判断】
 東北パイオニアの有機ELに関しては、同社はノータッチ。正確に言うと、将来に向けた研究をパイオニア技術研究所が、量産の研究を東北パイオニアが担当。資本関係では東北が子会社だが、有機ELでは東北パイオニアが暴走族で、親であるパイオニアは手が付けられない? 表現が良くないですね。
 世界で唯一の量産(まともな量産)に成功した東北パイオニアに対し、親は資金も出さなければ意見も言わない。もしかしたら言えないのかな。
 親子関係が反対になっているの?との印象すら受ける。まあ小笠原さんが副社長ですから…「米沢牛が食いたかったら泊まりで来い」。有名なセリフ。(両津)

パイオニア ☆☆
東北パイオニア ☆☆☆☆☆

 

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