エンプラス(東6961) 2001/09/11更新

2001/09/11(火)

エンプラス(東6961) ☆☆☆☆

 ピックアップの稼働率が上昇している。

 考えられない不振だった4−5月のピックアップ売上を100とすると、6−7月の水準は170。しかし、それでもまだ会社計画に届かない。このPC新製品モデル投入効果が下期も続くとは思えないので、EPSを70円としなければならなくなった。

 ごめんなさい。

 ネックは、ソケット・半導体部門だ。今期は利益ゼロまで落ち込む。来期も期待薄だ。ピークの30%の水準に受注は落ち込んでいる。
 そして、液晶。導光板は7月からぱったりと三星向け中心に生産調整にはいって9月以降も不透明だ。これにはまいった。

 液晶部材メーカの厳しさはむしろこれから顕在化するだろう(日東電工の下方修正のひどさからも液晶部材の動向はうかがえる)。

 この2つの部門が想定以上に悪すぎる。
 ただし、中期的には明るい。

1)CMOSセンサー向けレンズが出始めた。Jフォーン向け。単価がピックアップレンズの4−5倍で80円程度と推定される。低稼働率でも利益があがる。

2)DVD対物レンズに採用が下期から決定したようだ。これも数倍の単価。とくに、CMOSセンサーはいまのところ、モデルあたりの販売台数が少ないため、ガラスがほとんど。今後、搭載比率増にともない爆発的に普及が期待できる。ガラスからプラスティックへの移行を期待する。

 それにしても、株価は業績悪化を織り込んだろう。
 このEPS70円の前提になっている全体感。

 今度発売される四季報は、各社、とんでもない悪い数字が入っている可能性がある。
 銀行株下落で9月30日の締めをまって損を確定させてから、下方修正に遅まきながら動くところもかなりの数に上る。
 よって、次回発売の四季報の方が、業績修正より先行性があると思っている。ひどい数字にパニックにならないことだ。

 株価はボトムのEPSで語れるものではない。
 いい材料に乏しい。極端な円安ぐらいしか、製造業サイドでポジティブなサプライズは当面ないだろう。

 新製品モデル投入効果でやや稼働率を戻していく10月をピークにまた生産が下方に向かうリスクは十分ある。
 厳しい状況があと半年は続く覚悟で押し目を丁寧に拾っていきたい。(大原)

☆☆☆☆☆ → ☆☆☆☆


2001/03/16(金)

エンプラス(東6961) ☆☆☆☆☆

 腹立たしい銘柄である。
相場が下がるときはより下がり、相場が上がるときにも上がらない。
市場が間違っているのではないのか。
「市場は間違うこともある。ただし、市場は絶対に間違いを修正する」。
それが市場のよいところである。

酒井部長に確認した。今期40%近い経常増益は立派である。
来期も増益基調は維持できる。来期は、特別損失はなしの予定である。

最悪経常利益が横ばいでも純利益で30億円。その場合、来期EPSは140円となる。
長期的にはEPS数百円レベルになろう。

半導体市況が長期低迷、ICソケットが大幅に落ち込むとしても、CMOSセンサー向けレンズの単価はピックアップの数倍の値段であり、コストは同程度。WDM向けプリズムも貢献。そして、プロジェクタ向けレンズは底堅い。LCD導光板は死角がない。

買いを確認。(大原)


2001/02/19(月)

エンプラス(東6961) ☆☆☆☆☆

1)WDM関連は、ノリタ光学のガラスレンズ&薄膜技術に、本体の新素材プラスチックレンズを合わせたものが来期貢献。
2)単価が高いCMOSセンサーレンズが立ち上がる。
3)来期以降、エンプラスの評価が大きく変わる。いままでのPC周辺&半導体設備関連メーカというイメージは一掃される。
4)ガラスとプラスチックのそれぞれの強さを兼ね備えた総合光学メーカへ脱皮する。
5)無機&有機素材の開発、射出成形技術、光学エンジニアのマンパワー、経営、バランスシート、すべてに隙がない。
6)来期EPS150円。
7)短期的にもヘッジファンドのカラ売りポジションが溜まっている。
8)スクイーズ的な買い上げがあれば、株価は面白いほど踏みあがろう。
9)この株価であれば、短期の値幅取りが出来よう。
10)それでも、5000円から長期保有する価値のある本物の銘柄である。(大原)


2001/01/17(水)

エンプラス(東6961) ☆☆☆☆☆

 【取材メモ】

 下期10月11月の経常利益は、会社計画を16%上回った。しかし、12月は急激に悪化した。ピックアップレンズが、在庫調整入り。米国PC市場が、減速したため。結果として、第3四半期の利益は会社計画通りになった。ピックアップの調整は、春先まで続くだろう。
 また、バーイン・ソケット事業は、ピークアウトした。粗利益率40%を超える事業の減速だけに、短期的な業績への影響は避けられないだろう。

 しかし、会社は、前もって、慎重に業績を見積もっていた。また、円安メリットの享受もあり、今期業績は、経常利益50億円弱は確保できる見込みだ。
 来期は、増益となるだろう。
(1)CMOSセンサーが、5月から貢献する予定。
(2)導光板も、新製品を投入する。
(3)WDM分波レンズは、新規に採用されるだろう。
(4)ピックアップの在庫調整は、終息するだろう。

 単価の高いCMOSレンズ、WDM、プロジェクションTVプリズムが、揃って立ち上がる。 来期EPS160円期待。EV/EBITDA10x。(大原)

2000/10/20(金)

エンプラス(東6961) ☆☆☆☆☆

 【4000円を割れた21世紀の両雄:エンプラスと東北パイオニア】
第一回 エンプラス(6961)

【CMOSセンサ】
◎WB−CDMA携帯の1/3はCMOSセンサを標準搭載。2005年時点のトヨタ高級車はCMOSセンサを30以上搭載。
◎AIBOなど、家庭ロボット、カメラ、ノートPCなどに搭載は拡大し、数年間で数億個のレンズ需要
◎CMOSセンサー及びCCD用プラスティックレンズで首位
◎CMOSレンズはDVDピックアップレンズの10倍の価格で工程は同じ
◎レンズ数量の20%がCMOSセンサレンズに置き換わればプラスティックレンズ売上は3倍になる。資産効率は10倍。
◎プラスティック(材料)、金型(プロセス)、光学(要素技術)の組み合わせは、硝子、エッチング及び研磨の組み合わせを圧倒する
◎レンズ表面は2ミクロンのマイクロレンズアレイになっている。硝子ならエッチング処理だ。脅威の金型技術

【プロジェクタ及びプロジェクションTV】
◎買収したノリタ光学(連結)の上期経常利益率は20%を超えた
◎レンズ単価はCMOSセンサのさらに20倍以上
◎ノリタはプラスティックレンズも習得した
◎PDPよりプロジェクションTVが本命(PDPは材料コスト、ICコストが大きすぎる)

【DVDピックアップ】
◎プラスティック化が今後大きく進む
◎コニカの対物レンズの特許が切れる
◎ピックアップレンズ6枚のうち、コニカの対物レンズは40円。残りのレンズは10数円。ここに参入できる
◎よって、3年で売上倍増

【WDM】
◎アジレントと共同開発。マイクロレンズアレイや光コネクタ向け数ヶ月以内に新規参入

【レンズ限界利益率80%】
◎利益率を大幅に向上させつつ、3年で売上は3倍程度になろう
◎EPS 4年後に500円。PER30倍で1万5000円目標
◎2004年にCMOSセンサは端末向け5億個搭載。シェア50%として、売上200億円、利益50億円の上乗せ
◎プロジェクタレンズ、シェア20%、4年後、数量8百万個。売上200億円。利益40億円上乗せ
◎DVD、WDM、導光板などで圧倒的シェア。ここで売上100億円、利益20億円上乗せ

【経営、財務、戦略、すべて明快】

レンズ技術の詳細は27日前後に特集します。(大原)

2000/05/22(月)

エンプラス(東6961) ☆☆☆☆☆
 同社の決算説明会が19日行われた。

 終わった前期(連結)は、売上341.6億(+10.8%)営業利益36.6億(+6.7%)経常利益37.3億(+10%)NET20.1億(+19.8%)EPSは101.4円と、過去最高益更新での増収増益である。

 99.3期の為替レートが130円以上に対し、前期は113円と15%以上の円高により、全売上の26%が海外向けの同社にとって目減りが発生しているものの、計画をクリアーした。

 部門別では、エンプラ事業が116.5億で−14.4%と、特にOA関連のマイナスが響いている。

 自動車機器事業はサプライヤーとしての評価は高く、デザインインの段階から食い込んでおるものの、アジアの不振が足を引っ張った。

 半導体関連事業は62.5億(+12.7%)と市況回復の遅れによる設備投資減少、下期から復活し上期比+33.9%となり、トータルプラス。

 液晶事業において同社はバックライトの草分け的存在であり、PC・モバイル他デジタル関連の拡大により、売上より収益重視で活動しているものの、大幅な増収を確保した。

 オプトデバイスにおいては20年来R&Dを重ね、ようやく飛躍してきた。前期は50.2億と(前々期17.4億)+188.5%も伸長し、デジタル化を背景に光ピックアップ・ホログラム素子が絶好調。

 今期は1ドル=105円前提で以下の通り。

売上
370億円
+8.3%
営業利益
46億円
+25.4%
経常利益
45億円
+20.5%
NET
26億円
+28.9%
EPS
127.76円
 


部門別売上
エンプラ
110億
−5.6%
自動車機器
50億
+5.0%
半導体事業
76億
+21.6%
液晶事業
69億
+6.5%
オプトデバイス
65億
+29.5%


 エンプラ事業は昨年途中から少し戻してきてはいるものの、キャノン向け比率が約5割と高く、昨年のキャノンの動きを見ていると楽観視できるかどうかとのコメントであった。
  オプトの数量は倍増計画。DVD関連は完全に部品が足りない状況であり、生産倍増させても問題ないほどで、オプト・半導体の利益率はすこぶる良く、この部門が引っ張り、更にあまり良くなかった液晶の利益率が6ポイントも改善してきており、今期の業績も大幅な為替変動がない限り期待できそうだ。

続きはまた次回。

2000/03/10(金) 

エンプラス(東6961) ☆☆☆☆☆
 昨日の続きです。

 エンプラ事業は在庫調整が終了する動きも出ているようだが、来期は数億円ほど売上が落ちよう。しかしながら10億円売上減少となっても、粗利は1億ほどしか落ち込まず、利益的には数千万程度のマイナス要因にしかならない。
 自動車向けは安定的だ。年間数%程度のアップで粗利は20%弱。
 半導体向けは今期62億の計画で、その内10億がインテル向け。ICバーインテスト用ソケットでインテルと本格的に取引が始まり、来期はインテル向け20億、半導体事業として80億の売上を予想する。
 このソケットであるがシェアは山一電機がトップで、次いで同社と日本TIの土壇場であるが、山一はMPU向けをあまり手掛けておらず、日本TIの脅威もさほどないようで、同社にとっては今後おいしいビジネスとなろう。なお山一は、役員に大手電機メーカーから人材を受けており(天下り?)これも強さの一因か?
 このソケット、インテルとはサーバー用だけでなく、PIII以降ずっと共同開発するそうで、インテルの戦略が大きく変わらない限り、継続的に独占供給するようである。なおこの商品は外注しており、粗利が40数%と高く、売上アップによる利益貢献は非常に大きい。
 オプト関連で、まず光ピックアップ用プラスチックレンズを扱う光学デバイスであるが、今期23億の売上は若干上に行きそうだ。今回プレステIIにも納入し、DVDが来期相当伸びそうな事から、数量ベースで最低2倍を予想する。
単価下落は20%を想定するが、それはすべて原価削減で吸収し、利益率に変化はないと予想する。
 オプト関連のもう一つの柱である、液晶向けバックライトパネル及びユニットは、メインユーザーが韓国の三星(実際の納入は日本サムソン)及びシャープ他。最近の新聞記事を見ても明らかなように液晶が逼迫しており、来期は相当な数量アップが見込める。但し、同社では先行きまで安心しているわけでなく、いずれ供給懸念を念頭に超大型及び超小型液晶に力を入れていくという。
 気になる業績だが、今期単体は計画をクリアー、連結が来期100%子会社化するノリタ光学が下期赤字及び為替の影響で若干の未達を予想する。
 しかしながら、来期は為替を足許105−110円のイーブン前提で単体は大幅なアップ、ノリタ光学も黒転しそうなことから、連結EPSも大幅拡大を予想する。

2000/02/04(金) 
エンプラス(東6961)   

【プラスチックの加工では定評のある技術カンパニー】
 売上構成:エンプラ35%、自動車機器11%、半導体機器19%、液晶26%、オプトデバイス9%

中間期部門別売上高(連結)
電子機器
3860
−21.0%
自動車機器
2429
+0.7%
半導体
2671
−20.1%
オプト
5485
+74.0%
(うち液晶)
3099
+39.8%
(うち光学device)
2386
+155.2%
AV機器
974
−16.4%
その他
892
+1.6%


 電子機器部門では、約半分を占める大手OA機器メーカー向けが在庫調整の煽り、採算の良い半導体は、第2Qこそ回復しているものの、第1Qの穴を埋めるに至らなかった。加えて、為替の円高が119円のレートで前期比22円の円高と、利益マイナス要因を発生させた。このためオプト関連が好調でも全体を補う事はできず、上期は3%増収20%減益になってしまった。
 下期に入りイマイチであったバーインテスト用ソケット(半導体機器)が、急回復を遂げている。これはあまり取引のなかったインテルに、サーバー用MPU向けに受注が取れたためである。今期は5億、来期は2−3倍くらいは行けそうであり、当分取引継続しよう。
 エンプラ部門はキャノンが内製化に走ったようで、しばらく低迷、しかしリストラを実施し、売上が伸びなくとも利益を出せる体制に改善していくであろう。
 オプト関連では光ピックアップ用レンズ・デジカメなど小型カメラ用プラスチックレンズを作っており、この分野は会社曰く「限界利益率80%」と相当高い(プラスチックレンズは硝子の10分の1のコストで販売価格は2分1)。但し、最近流行の200万画素以上の高性能デジカメ用レンズでは、現在のプラスチックレンズはまだまだ用いる事が出来ずガラスの土壇場。しかしながら、50万画素クラス以下ならプラスチックOKとなり、今後出てくる携帯電話・セキュリティ向けが楽しみだ。
 100%子会社化する予定のノリタ光学は、プロジェクター用のハイブリッドレンズを担当しており(硝子とプラスチックを重ねあわせたレンズ:光の3原色RGB1つずつに3枚のプラスチックレンズと1枚の硝子レンズを組み合わせた計12枚から構成。プラスチックレンズはエンプラス、硝子レンズはノリタ光学)来期から業績寄与してこよう。

本日はイチオシ度抜きで、紹介するに止めさせて頂きます。

あくまで投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり内容を保証したわけではありません。
投資に当たっては投資家自らの判断でお願いします。
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