良品計画(東7453) 2001/04/03更新

2001/04/03(火)

良品計画(東7453)☆☆☆

 長いことフォローがなく申し訳ございません。

 その後、株価は惨澹たる有様となり、創業以来の減益決算見通しが固まった時点での有賀前社長(現取締役相談役)の引責辞任、松井専務の社長昇格といった事態となりました。

 前2001.2期決算の発表にサプライズはなく、連結営業収益は1,155億円、前期比8%増、経常利益は116億円、同13%減となりました。既存店増収率は、直営店91.0%(四半期ベースでは、95.9、93.7、86.7、86.0と漸減)、全店で89.0%でした。メインターゲットとした団塊世代ジュニアの成婚にともない、店舗を大型化、品揃えを大幅に拡充する戦略は功を奏することはありませんでした。

 有賀前社長は、その熱心なIR活動によりアナリスト間でも評判の良い方でしたが、出処進退も見事であったと思います。

 今2002.2期については、会社側は連結営業収益で1,220億円、同6%増、経常利益で107億円、同8%減と減益を見込んでいます。既存店増収率の前提を、上期85.0、下期95.0、通期で89.6と厳しく見ているほか、販管費に「予備費」を積み増し、海外を含めた抜本的リストラに取組む意向です。アイテム数の絞り込み、価格競争力の強化にも注力する計画で、その効果発現が注目されます。

 今後注視が必要であるとはいえ、さすがに株価は割安なゾーンにまで届いているといえるのではないでしょうか。(評価継続)(駄洒落)


2000/10/04(水)

良品計画(東7453)☆☆☆

  良品計画の2000年8月期中間決算が発表されました。

 連結業績は、売上高で579億円、前年同期比8.3%増、経常利益で74億円、同9.3%増となりました。低価格指向の専門店などとの競争激化により、既存店売上高は直営店で前年同期比5.0%減、ライセンス店(西武百貨店、西友などに展開する店舗)を含むストア合計では同7.3%減と不振でしたが、積極的な新規出店が寄与して全体では増収を確保しました。

 また、採算の良い直営店の比率が56.8%と5.2ポイント上昇したこと、販売管理費を期初見込みの180億円から20億円削減したことなどの要因により、経常利益は期初計画を上回りました。 これを受け、当社は2001年2月期、通期の連結業績を売上高で1222億円、前年同期比14.2%増、経常利益で162億円、同21.3%増と見込んでいます。

 ただ、通期の直営既存店売上高は、期初計画の前期比5%増から同3.8%減へ、ストア合計では同4.5%増から6.1%減に下方修正。これにともない、全体の売上高予想を104億円減額しましたが、販売管理費を42億円削減することで、経常利益は期初計画を確保出来るとしています。

 下期の店舗計画は、新店31店舗(11,319m2)、増床9店舗(3,514m2)、閉店9店舗(2,476m2)で、期末店舗は合計253店舗(直営87店舗)、売場面積は152,093m2、前年同期比20.1%増となる見込みです。
 なお、1,000坪クラスの大型店は京都の近鉄プラッツ、キャナルシティ博多に続き、10月に本厚木、11月には青葉台にオープンの予定です。

 ちなみに、当社株価は4月21日の年初来高値21,300円から9月28日には8,100円まで大幅な下落を演じています。有賀社長は非常に魅力のある経営者ですし、当社のIRも出色のものといえます。

 東日本キヨスクと提携した「無印良品com KIOSK」、欧州での店舗展開は順調ですし、3月開店の大型店プラッツ近鉄は今上期の売上高が14億円と年間計画の20億円を大幅に上回るペースで推移しています。

 業績面を見ても、予想PERで30倍割れまで株価が下がるのは不思議に思えますが、やはり背景には、ブランドイメージの変質、成長イメージの希薄化といった要因があります。
 当社は従来、「わけあって安い」をコンセプトに、プライベートブランドゆえの廉価性、シンプルライフを提案する話題性が若年層の圧倒的支持を得、急成長を遂げてきました。しかし、メインの顧客層である「団塊世代ジュニア」の成人化にともない、顧客年齢の上方移行が目立っています。これは、10代後半から20歳前後の女性のニーズが高かったステーショナリー(文具類)などが前年同期比マイナスに転じたことが象徴的です。

 当社はあくまで、既婚層となりつつある団塊ジュニア向けトータルライフスタイルショップを指向、店舗の大型化、品揃えの拡充を推進する意向です。これにともない、アイテム数は2000年2月期末の4,232から今中間期末には5,989と急増しています。 こうした量的拡大にともない、100円ショップやユニクロと比べると「安さ」の面で見劣りが生じ、衣料品などでも「高品質でも低価格でもない」といった印象が既存店売上高の苦戦につながっています。

 柔軟な利益計画、直営店比率の上昇などから、一定の業績はあげ続けることが予想されますが、株価は中期的にボックス相場に入るものと思われます。
 「グロース株」として長期保有するのではなく、まめに売買を繰り返すことが必要な銘柄になったといえましょう。

 ただ、私個人的には有賀社長を含め、当社の一ファンですので、アイテムの絞り込み等、「ブランド再構築」がなされることを切に願っています。

 本日終値9,150円。

 なお、同社の評価を☆☆から☆☆☆に変更します。(駄洒落商会会長)

2000/06/21(水)

良品計画(東7453)☆☆

  遅れましたが、業界を取巻く環境の変化で同社のトレンドに変化が見られ、同社の評価を☆☆☆☆から☆☆に変更します。
 なお、引続き足下をウオッチしていきます。

2000/06/19(月)

良品計画(東7453)☆☆☆☆

  かつて、同社の月次売上に黄色信号が…とお伝えしたと思うが(5/8号)、6月9日付ジャーデンフレミング証券ニュースコメントに、同社の6月1日−7日までの売上伸び率が掲載してあり、この1週間多少売上が戻してきており、この状況が続くなら株価も反発しようとある(直営既存+2.0%、衣料は−1.0%)。

 別件で用があり、良品計画に電話したのだが、6月18日現在での直営既存は−4%、衣料は−8%と、前年比ベースで6月第1週目より悪化してしまっている。つまり、この短期間で売上が回復してきたというより、1週目だけ一時的に戻したという程度だ。1000坪クラスの新設大型店で予算の30%以上売上を達成しているところもあるようだが…。

 新興勢力にかなり客が奪われているのか?同社も否定はしないものの、対抗するために1900円、1000円のTシャツを出し、これが売れているという(一部品薄で販売ロスも生じているという)。直営既存の客数を聞くと、直営既存のデータと同じ位の数字、つまり単価はあまり下がらず客足が遠のぎ、生活雑貨の方まで影響がでているとのことであった。いずれにせよ、そう簡単に客数が戻り、株価が反発する感じではないな!
2000/05/08(月) メルマガ「億の近道」同時掲載分
良品計画(東7453) ☆☆☆☆
 良品計画の4月の状況(確定値)が本日発表されている。直営既存店が-6.9%、直営全店は+17.2%、LS(Licensed Store)既存が-10.2%、LS全店が-7.9%、全社ベースでは+3.1%である。今期に入ってからの動向を以下に記す。
 
直営既存
直営全店
LS既存
LS全店
(直営+LS)
既存
(直営+LS)
全店
全社
3月
+2.1
+23.6
-6.2
-1.0
-1.3
+13.5
+10.3
4月
-6.9
+17.2
-10.2
-7.9
-8.2
+7.3
+3.1

 直営既存は+5.0、全社が+4.5%の計画に対して、今期は上記の推移である。しかしながら粗利の高い衣服・雑貨(直営既存)だけ見ると、3月が-5.4、4月は-15.4と低迷しており、専門店との影響が出ているのか定かではないが、トレンドの変化を感じさせるものがある。要注意であろう。
2000/01/11(火)メルマガ「億の近道」同時掲載分
良品計画(東7453) ☆☆☆☆
読者の方より良品計画のフォロー依頼がございましたので掲載致します。

月次売上動向(単位%)(下期)
月次 直営既存 直営全店 FC既存 FC全店 トータル
99.09 −2.3 +14.8 −10.5 +3.3 +7.6
99.10 +11.4 +33.3 +1.3 +9.1 +22.9
99.11 +0.3 +19.6 −8.1 −0.3 +16.5
99.12 +4.9 +22.0 −0.1 +8.1 +15.3

 直営既存の計画は±0%、今年と去年の下−下比較では+13%の計画、通期売上は1049億円で+14.5%の計画。
 下期に入って9月こそ既存店がマイナスであるが、それ以降はプラスの推移で堅調持続。ここで掲載していないが、粗利率の高い衣料も直営既存店ベースで9月がマイナス7.7%となったが、10月14.2%、11月1.3%、12月5.3%。売上の高い12月が計画より高目の数値を示しており、会社計画の利益より上が見込める。またトータル売上の下期計画13%も堅く見積もっており、その分のオンもあろう。スーパーなど旧形態が苦しむ中、専業はどんどん売上を伸ばしており、保有されている方は持続。
1月11日引値21000円
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