セブンイレブンジャパン(東8183) 2001/03/21更新

2001/03/21(水)

セブンイレブンジャパン(東8183) ☆☆☆

  当「億近」13日のコラム&イチオシで、炎のファンドマネジャー氏が「コンビニ論」を開陳しておられますが、私もセブン−イレブンを取上げてみることにしました。

 アナリストの方のなかには、「小売セクターなど分析するに値せず」という意味のことを語られる方がいます。確かに、「構造調整の遅れ」「企業財務面での不透明さ」など旧態依然とした部分も残されてはいますが、何より、小売業は「平和(戦争がない、治安が良好等々」な状況で発展する産業です。

 象徴的であるのがコンビニ(CVS)です。私は欧州にもしばらく居住した経験がありますが、最近多少怪しくはなったものの、国内の治安の良さ、そして夜間にも気軽な買い物が出来るCVSというビジネスモデルを評価したいと思います。

 ちなみに、セブン−イレブン・ジャパンは1973年、米国でCVSを展開していたサウスランド社との間で「エリア・サービスおよびライセンス契約」を締結、74年より国内でフランチャイズ展開を開始しています。ただ、米国のCVSはあくまでガソリンスタンドへの併設を基本としており、国内CVSとはイメージが異なります。ちなみに、そのサウスランド社は73年のオイルショック後、セルフ・サービス販売による安いガソリン販売が伸長したことにより、さらにガソリン販売へ傾斜。石油精製事業へも進出しましたが、その後の石油価格の暴落、CVS業界の競争激化から経営危機が深刻化、イトーヨーカ堂グループが再建に乗り出したことは良く知られるところです。

 多品種少量の品揃えと相俟って、国内CVSは極めて日本的文化、商慣習にマッチしたものといえましょう。現在、流布している「CVS飽和論」は、これは別の次元のものです。店舗の立地など、「質」を考慮せず、「数」のみを意識した出店政策が行き詰まるのは当然のことでしょう。当社並びに炎氏が推奨しておられたCVSベイエリア(2687)など、質の高い店舗政策を採用する企業の株が他社と同様に下落するのは不思議な現象といえます。

 ちなみに、90年代初頭までは、マーケットではCVS業界の利益成長力イコール出店スピードとの評価がなされており、店舗数の少ない企業の方が出店余力、成長余力があるとしてPERが高いのが通常でした。具体的には、ファミリーマートの方がセブン−イレブンより高PERであったわけです。しかし、前年比出店増加率が頭打ちとなった92年を契機にこれが逆転、商品開発力、店舗運営力、物流システムの効率性などセブン−イレブンが抜群の存在であることが評価され、相対的に高PERとなっています。

 既に、マーケットは92年の時点で、「CVS飽和論」を採用、「質」重視に転換した訳です。なお、セブン−イレブンの過去10年間の平均PERは60倍程度、現在は40倍半ばの水準です。(☆☆☆)

 それにしても、バトルが終わった途端に、この大反騰ですね。(本日、日経平均912円高)もっとも、昨年8月の「ゼロ金利政策解除」がある意味では大幅下落の契機となった訳ですから、ゼロ金利実質復活はとりあえず買い戻す場面でしょうね。量的金融緩和は次第に効果を表すものと判断しています。今後は政局動向も含め、構造改革の進展に注目が集まりましょうが、膨大な債務を削減するためには「インフレ政策」の採用は必至です。私は中長期的に株は上昇基調をたどるものと予想しますがどうでしょうか?もっとも、バトルに勝利するのはまた別の次元でしょうが。(駄洒落商会会長)


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