ジャスコ(東8267) 2001/05/02更新

2001/05/02(水) 

ジャスコ(東8267) ☆☆☆

 フォローです。

 発表された当社の2001.2期連結業績は、営業収益で2兆7,386億円、前期比8.6%増、経常利益で874億円、同35.1%増となりました。既に2月21日に業績予想の修正がなされていましたので、特にサプライズはありません。

 また、単体の業績は、営業収益で1兆6,235億円、同14.1%、営業利益で236億円、同14.6%増、経常利益で257億円、同7.8%増と営業利益ではついにイトーヨーカ堂を抜くに至っています。

 既存店増収率は、同1.8%減(内訳は客数3.3%増、客単価4.9%減)と総合スーパーのなかでは最も健闘しています。ちなみに、他総合スーパーの既存店増収率は、ダイエー8.2%減、イトーヨーカ堂6.0%減、マイカル3.6%減、西友4.4%減、ユニー6.5%減となりました。

 ジャスコの場合、PB商品の「トップバリュ」、「ベストプライス」、「49円ボールペン」「1万円スーツ」などユニークな自社開発商品による低価格戦略の奏功が続いています。

 連結ベースでは、米国タルボット(2001.2期営業収益1,713億円、前期比17.9%増、営業利益213億円、同84.4%増)、イオンクレジットサービス(200102期営業収益544億円、同15.1%増、営業利益154億円、29.9%増)など連結子会社の収益寄与が大きく、連結営業利益に占めるジャスコ単体の比率は26%にとどまっています。同社ではこの比率を2004.3期に40%まで引き上げることを計画しています。

 販売単価の下落がさらに続くことを想定し、コストの継続的な削減、3年間で39ヵ所の総合物流センターを設置するなどSCM(サプライ・チェイン・マネジメント)の再構築、など従来からの経営路線をさらに徹底する意向です。フリーキャッシュフローのマイナスなどリスク要因もありますが、同社に関しては評価を変えず、押し目買いで望みたいと考えています。

 一方、マーケットでは、ダイエーの高木社長・平山副社長など新経営陣による経営改革に期待が集中しています。当「億近」でも大原部長がポートフォリオ銘柄に取り上げ、抜群のパフォーマンスをあげています。このダイエーの状況は、98年の西友を想起させます。この時の西友も、セゾングループはもとより、ノンバンク子会社・東京シティファイナンス(TCF)が債務超過に陥ったほか、さらに売り場の荒廃により営業力が衰退するなど危機的状況に直面しました。

 事態を打開すべく98.2期に経営陣を刷新、渡邊紀征社長(前ファミリーマート副社長、現西友会長)、木内政雄副社長(前良品計画社長、現西友社長)を子会社より招聘、特に小売営業力の強化を推進。売場活性化策として、(1)在庫増を恐れず売れ筋商品の発注をこまめに行い、「機会ロス」を防止する、(2)集客の目玉となる生鮮品の鮮度向上に努める、(3)競合店より明らかに高い売価の商品をなくす、などの「基本原則」を徹底。

 さらに販管費の削減により、99.2期の損益分岐点比率は94.7%(98.2期は97.2%)、売上高営業利益率は2.05%(同1.08%)と大幅にアップしました。

 こうした店舗段階での収益力向上に加え、99年4月には東京シティファイナンスの2,091億円の債権放棄について金融機関17行と正式な合意に達するなど、その再建に目途をつけています。

 こうした状況を好感し、株価は98年10月の247円をボトムに上昇、99年5月には戻り高値815円を示現しました。その後は、再び西洋環境開発などセゾングループの財務リスクが取りざたされたことなどから、株価は反落を余儀なくされましたが、渡邊・木内コンビの思い切った施策、誠実なディスクローズはアナリスト間でも高い評価を得ていました。

 ダイエーに関しても、売場の活性化に続いて、財務面における何らかの施策は急務といえましょうが、高木・平山コンビの再建結実を祈りたいと思います。(駄洒落)

 

2001/03/14(水) 

ジャスコ(東8267) ☆☆☆

  フォローです。

 2月度(1月21日〜2月20日)の直営既存店売上高は前年同月比0.4%増、内訳は客数が同2.3%増、客単価が同1.7%減でした。決算を控えて1月月末のセールが奏功、2月に入って若干スローダウンしたものの、何とかプラスを確保したようです。

 厳冬の影響による衣料品の伸長が客数増に寄与していますが、その衣料品も1点単価は10%程度の下落となっています。また、食料品も野菜の価格高騰があったのにもかかわらず、3%の下落となりました。通期では5%程度の下落となったもようで、当社では今2002.2期には雑貨と並んでさらに下落率を拡大させるものと予想しています。

 このため、会社側では既存店増収率がプラスに浮上するのはかなり難しいとの見方をしています。ちなみに、前2001.2期(通期)の既存店増収率は1.8%減となったもようです。

 会社側の現実に即した戦略に変更がない限り、当社の評価は継続したいと思います。

 このところ、執筆者諸氏が多彩な銘柄評価、投資戦略論を展開されるので楽しみです。私の方は、早めに帰宅して、八百万の神々に「バトル」の勝利を祈願しようと思います。
(駄洒落)

2000/12/20(水) 

ジャスコ(東8267) ☆☆☆

 10月18日に続き、フォローいたします。

 まず、第3四半期(9〜11月)の業績です。
 連結ベースでは、売上高が6,368億円、前年同期比4.5%増、営業利益は前年同期比38億円増(実額は開示していません)、経常利益は同じく27億円増と好調でした。また、第3四半期までの累計は、売上高で1兆9,388億円、前年同期比5.6%増、営業利益で452億円、同34.2%、経常利益で409億円、同35.4%増となりました。

 カジュアル衣料の米国子会社タルボットが20.8%増収、利益で2倍強(現地通貨ベース)と好調推移したほか、イオンクレジットサービスも好調を持続、連結収益に大きく寄与しました。香港、広東、青島など中国の子会社も順調、子会社となったヤオハン(静岡県)も業績好調です。

 また、単独ベースの第3四半期業績は、売上高で3,785億円、前年同期比7.3%増、営業利益は同1億7,000万円の増加、経常利益は100万円の増加となりました。直営既存店売上高は2.2%減、客数は4.0%増、客単価は6.0%減となりました。なお、粗利益率は0.4ポント改善しています。

 既存店増収率は依然マイナスですが、9月4.6%減、10月2.0%減、11月0.8%減とマイナス幅が縮小、回復傾向にあることが注目されます。また、2月以降では終始他社を上回っています。客数の増加、粗利益率の改善と合わせ、「新価格体系」と称する低価格路線が奏功しつつあることが確認できたといえましょう。

 前回は「中間決算報告」という意味合いもあり、「単なる情報提供として」の評価に止めましたが、今回は「☆☆☆」といたします。(駄洒落商会会長)

2000/10/18(水) 

ジャスコ(東8267)

 先週に続き、2000.8期中間決算説明会の概要をお知らせしたいと思います。

 総合スーパー6社(ダイエー、イトーヨーカ堂、ジャスコ、西友、マイカル、ユニー)の説明会がすべて終了しました。
 読者の皆さんよくご存知のように、総合スーパー各社は「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング、100円ショップ最大手の大創産業などの専門店の攻勢による価格下落、長引く消費者の買い控えなど厳しい環境に直撃され、業績は低迷が続いています。
 何より、消費者の価値観の変化によって、総合スーパー(GMS:General Merchandise Store)という業態そのものの存続が問われているのです。カルフールなど流通外資の本格的上陸もあり、価格下落はさらに継続することが予想されますが、そうした環境下、バブル期の「負の遺産」を抱えて再建も思うにまかせない各社、長期戦略に基づき着々と事業を再構築する各社と、その対応は多様です。

 前者の代表がダイエーです。このところマスコミを賑わしていますが、財務面のリストラを推進してきた鳥羽社長を事実上「切った」ことは、「自力再建困難」とみなされても致し方ないものと思います。
 同社は82年度に連結ベースで65億円の赤字を計上するなど、創業以来の危機に陥りましたが、元日本楽器の河島博氏を副社長として招聘。同氏中心に若手幹部を糾合、「V革」(V字型改革)を実施することにより、85年度には4期ぶりの黒字を達成しました。しかし、中内功会長は河島氏を子会社リッカーの社長に任命、自ら実権を回復することにより、「V革」を道半ばに終了させました。今回の事態も往時を彷彿とさせるものです。
 説明会も、各アナリストからかなり手厳しい質問が飛んでいましたが、連結対象に加えることによりグループ全体が債務超過に陥るとの思惑を呼ぶ「DHC」の扱いについて、経営陣から確答が得られないなど、終始説得力を欠くものとなりました。
 先にも述べましたように、仏カルフールはじめ外資系小売各社の対日進出が本格化しようとしています。国内各社との提携、業界再編も今後視野に入るものと思われますが、ダイエーは一つの焦点になるものと思われます。

 後者としてはイトーヨーカ堂、ジャスコが挙げられますが、私は今回、ジャスコの長期戦略に注目しました。

 同社は、岡田卓也名誉会長が三重県四日市市の「岡田屋呉服店」を国内第3位の総合スーパーにまで育て上げたものですが、後継者である岡田元也現社長がグループの掌握に成功しつつあるようにうかがえます。

 同社長は、世界的なデフレ傾向から、食品、ハードライン(家電、スポーツ用品、化粧品等)中心に、「Global Price」への収斂、客単価の低下は継続するものと分析し、明確な「低価格路線」採用を表明しています。
 発表されました2000.8期(中間)業績は、地域子会社の合併を積極的に推進したことなどから、単独売上高で7,832億円、前年同期比21%増、経常利益で120億円、同3%増となりました。ただ、営業利益は89億円、同8%減となるなど、厳しい環境に直撃される結果となっています。
 なお、既存店増収率は同1.3%減と大手6社のなかでは最も健闘しました。これは、PB商品の「トップバリュ」(今中間期売上高295億円)、「ベストプライス」(同486億円)の強化による「低価格戦略」が寄与するところ大といえます。

 一方、連結業績は、売上高で1兆3,019億円、同6%増、営業利益で424億円、同22%増、経常利益で400億円、同25%増となりました。主要子会社群の業績好調が寄与しており、カジュアル衣料の米タルボットは営業利益で88億円、同78%増と急伸しました。また、イオンクレジットサービスもカードショッピングの取扱いが順調に伸びたことにより、営業利益で64億円、同32%増。コンビニのミニストップが営業利益で52億円、同8%増とそれぞれ好調を持続しています。

 なお、会社側では2001.2期(通期)連結業績を売上高で2兆6,500億円、同5%増、経常利益で820億円、同27%増を見込んでいます。
 下期は「トップバリュ」のグループ3,500店での販売体制を確立し、全2,015アイテムを投入、売上高530億円、上期比80%増、売上高構成比7.4%を目指す意向で、さらに中期的には同構成比を25%にまで高める計画です。
 また、10年後8兆円まで拡大が見込まれる成長分野のドラッグ市場(現在約3.5兆円)においても、国内最大のドラッグチェーン形成を目指す意向です。
 明確な低価格戦略、そしてグループとしてドラッグ、ホームセンター、カードビジネス(イオンカード)市場に進出、消費者の多様なニーズを取り込もうとの戦略は評価して良いものと思います。
 リスク要因は、全体としての消費低迷の継続と来期に大店立地法の関係から新規開店が減少するため、想定以上に既存店売上高が落ち込むような際に出店効果により支えることが難しい点です。

 株価は当面ボックス圏の動きと予想しますが、中長期的観点からは押し目は買ってよいものと判断します。

(今回は情報のみにとどめます。イチオシ度

1999/12/14(火) メルマガ「億の近道」同時掲載分
ジャスコ(東8267) ☆☆☆
 12月10日の説明会について、会社側と連絡がついた。前回、路線の変更をして行く旨記載したが、電子商取引を検討している模様で、物流面を含めインフラの整備に取り組んで行くようだ。また中期的な業績目標として、3年後の※EVAを50億円としており、逆算すれば営業利益で600億円(単体)を目指すというもの。
 百貨店からスーパーへ、そして専門店と流れる中で、大手流通においては初めての改革を宣言した企業で、今後同社の変化・活躍に期待することとしよう。
 今回の改革宣言で本当に利益がついてくるかの判断も、現段階では何とも言えない。ただ電子商取引といっても現在はBtoB(企業対企業)が中心であり、肝心要のBtoCはまだまだといったところ。その発展のためにも同社の様な大企業グループが参入しマーケットが拡大することを切望する。

経済的付加価値(EVA:Economic Value Added)

EVAとは米国スチュワート社の提唱するもので、経済的利益を計り企業の価値創造と認識し、財務会計ベースの利益とは異なる概念で、会計上のB/S・P/Lに修正を施したもの。(らしい)
求め方であるが、

  1. まず投下資本を出す 投下資本=正味運転資本+固定資産
    * 正味運転資本=流動資産−流動負債
  2. 税引後営業利益(NOPAT)を求める
     NOPAT=修正営業利益×(1−法人税率)
  3. 次に加重平均資本コスト(WACC)を求める(ここでは省略)
  4. EVA=NOPAT−必要収益 (必要収益=投下資本×資本コスト)
詳しくは財務分析の本でも読んでください。
何を隠そう私は財務分析が大嫌い、これに関して質問は絶対に受け付けませんので何卒よろしくお願い致します。逆にEVAに関して説明したい方はメールを受け付けております。
 1999/12/13(月) メルマガ「億の近道」同時掲載分
ジャスコ(東8267)☆☆☆
先週末(12月10日)の説明会内容は以下の様である。
  1. 専門店(ファーストリティリング・しまむら・ニトリ・ホ―マック等)に対抗するため、ディスカウント路線を採用していく。
  2. 既存の中小型店をスクラップ。
  3. イオンファンタジー(子供服・アミューズメント)、九州ジャスコの公開(来年)。そこで得られる資金を上述のスクラップに当てる。
以上のような展望を述べたようだが、1は今の完成された店舗の運営方式の変更で、3年後・5年後の売上/利益といった数字面の動向が読み辛く(客がついてくるのか、それとも離れていくのか)、アナリストの判断は分かれよう。
 本日は寄り後買われたがその後調整し、外資系の売り買いとなっており、今後は、同社をウオッチしているメリルリンチ(メリルリンチジャパンではない)の動きに注視しよう。
1999/12/09(木) メルマガ「億の近道」同時掲載分
ジャスコ(東8267) ☆☆☆
 ジャスコの足許の状況はとても良い状況と言えるものではない。11月トータル売上は−9.5%と、専門店(しまむら・ユニクロ)にかなり客を奪われ、またダイエーの優勝記念セールの影響も出ている模様だ。但し、これはジャスコに限ったことではなく、既存の業態はみなそうである。
 そのジャスコが明日(12月10日)、名古屋の新店においてアナリストを30名招待し、説明会を開くらしい。何を話すかはわからないが、なぜわざわざ遠い名古屋でやるのかな?株価は安値圏だ。バーチャル投資で明日の寄付きを買っておくことにするか!
12月9日引値1910円
あくまで投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり内容を保証したわけではありません。
投資に当たっては投資家自らの判断でお願いします。
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